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[ ナイトウォーカー ] [ 目的 ] [ ナイトウォーカーの生態 ] [ 感染 ] [ 潜伏 ] [ 実体化 ]
[ コア ] [ 形状 ] [ 獣人たちの対策 ]
 

ナイトウォーカー
 ナイトウォーカーとは、獣人たちを捕食対象とする、獣人の天敵です。彼らは、人間などの生物を媒介として移動を行ない、探し出した獣人たちを捕食して、成長・繁殖します。
 獣人たちと同じように、ナイトウォーカーはいつから存在し、どのような生態を持っているのかは詳しく知られていません。その本体は、物理的に確認することができない未知のエネルギーの固まりか、DNAのような情報の集合体のようなものだと考えられている、きわめて謎の多い生命体です。情報を利用して様々な行動を行なう彼らは、名づけるなら『情報生命体』とでもいうような存在です。
 物理的に姿を現したときの外見は、主に虫に似たモンスターの姿をしています。その本能により、獣人や人類のような生命体と本質的に相容れないことが分かっています。
 その数は、WEAの発表では全世界で十数万匹いる、とされています。しかし元々ナイトウォーカーに関する正確な情報がつかまれていないこと、近年の予測外の増殖速度の速さもあり、実際にはこれよりも多い数のナイトウォーカーが存在しているのではないかと言われています。

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目的
  ナイトウォーカーの第一の目的は、様々な生物にも見られる「種の保存・繁殖」とされています。
 彼らのメンタリティはその外見に似た「虫」に近く、このような生存本能以外に行動目的を持っていません。たまに警察犬のように賢く、様々な手段を利用して獣人たちを追い詰めようとするものはいますが、人類や獣人と交渉してナイトウォーカーの権利を認めさせようとか、獣人たちとの共存・共栄を望むナイトウォーカーは存在していません。
 それ以外の目的や詳しい生態、いつから彼らが存在するのかは、獣人たちと同じように、詳細は分かっていないのです。

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ナイトウォーカーの生態
 ナイトウォーカーの生態はウィルスに似ています。彼らは会話などの声、記録、文学や芸術といった情報の中に織り込まれ、それに触れた生命体に感染して動き回りながら、エサである獣人たちを探しています。
 かつての社会では、情報そのものの量も、伝わる速度も大きくはなく、行動が制限されていたナイトウォーカーでしたが、今世紀初頭にかけての電信や電話の発明、近年ではインターネットのような通信ネットワークの一般化とコンピュータの情報処理能力の拡大に伴い、彼らの伝染速度や規模は、飛躍的に大きくなっています。
 生命体に感染したナイトウォーカーは、そのままその生命体に潜伏し、獣人たちを探します。情報を集め、獣人の所在を掴んだナイトウォーカーは、ターゲットである獣人たちを自分に有利な場所へとおびき出したり、突然の不意打ちを行なって、捕食しようと行動に出ます。
 この捕食行動の際、ナイトウォーカーは感染していた生命体を変容させ、捕食のための肉体を作り出します。そしてその肉体を操って獣人を狩り、物理的に捕食するのです。
 その後ナイトウォーカーは、元の情報生命体の姿に戻り、次の獲物を探して情報の海に沈むのです。
 なお、個々のナイトウォーカーたちは本能的に協力し合うことはせず、単体で行動することを好む傾向があります。

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感染
 ナイトウォーカーが他の生命体に感染するための、複雑なルールはありません。対象となる生命体がナイトウォーカーの潜んでいる情報に直に触れる(電話の受話器をとったときに電話線を通じて、借りてきたビデオテープを見た瞬間に映像から、隠れている小説のそのページをめくった瞬間に‥‥)ことで感染は終了します。
 この感染の対象は、原則、無差別です。捨てられた本に潜んでいたナイトウォーカーが、そのページをめくったカラスや犬に感染することもあります。ただし一般的には、行動範囲が広くて獣人を探し出しやすく、また体格も大きく実体化したときの戦闘能力が高くなりそうな、人間に感染することが多いといえます。なお、獣人にナイトウォーカーが感染したという事例は、なぜか確認されていません。
 一度生命体に取り付いたり、その本性を現したナイトウォーカーは、その後2〜3日たたないと、元の情報生命体には戻れません。また、情報生命体に戻る場合には、感染したときと同じように、文字や映像、ネットワークといった何らかの情報に直接接触しなければなりません。

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潜伏
 ナイトウォーカーに感染し、潜伏された生命体は、その「異物」の存在のためか、ナイトウォーカーごとに様々な精神的変調を見せます。例えば穏健な人が突然凶暴になったり、社交的な人が引きこもるようになったり、独り言をつぶやき続けるといったような変調を見せます。
 また潜伏された生命体に共通する行動として、夜に活動することが多くなります。この行動の変化は、ナイトウォーカーが夜に行動したほうが有利に事が進められると本能的に認識しているためで、また彼らの名前の由来ともなっています。
 なお、潜伏による変化は徐々に起こるのではなく、潜伏された瞬間から突然変化します。また一方で、このような精神的変調をきたしてはいますが、潜伏された生命体にまだ自意識は残っており、この変調をのぞけば社会的な生活を送ることは可能です。

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実体化
 ナイトウォーカーは潜伏した後、その自由意志で生命体を変化させて物質的な肉体を獲得し、実体化することができます。
 ただし彼らは、獣人を確実に狙えると思った場合にしか実体化しません。ナイトウォーカーとして実体化した場合、その肉体の変異の影響により、潜伏されていた生命体は死亡してしまいますし、また物理的な肉体を持つことで核となる部分を破壊され、その命を絶たれる可能性が出てくるためだと見られています。
 ナイトウォーカーはコア(後述)を形成し、潜伏していた生命体の肉体を変容させます。この実体化には10秒ほどかかります。ナイトウォーカーが一度でも実体化すると、元となった生命体は変容による過負荷に耐え切れず、死亡します。この変容は遺伝子レベルで起きてしまうため、どのような力を用いても、回復・蘇生させることはできません。
 実体化した後のナイトウォーカーは、その戦闘形態以外にも、死体を直接動かす形で、元に生命体の姿に擬態することができます。しばらくは動き回ることは可能ですが、そのうち肉体は死体として腐敗・崩壊し、情報生命体に戻ったナイトウォーカーが消えた後は、変死体が残ることになります。

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コア
 ナイトウォーカーが実体化すると、拳より小さいくらいのカットされた宝石のようなものが、その体表面のどこかに現れます。これが「コア」と呼ばれるものです。
 コアは、ナイトウォーカーの情報が凝集されたものであり、実体化し力を振るうための触媒のようなものだと言われています。このため、コアを破壊されると、どんな強力なナイトウォーカーであっても、その存在を消滅させられてしまいます。
 コアは隠されていることはなく、必ず見える場所にあらわになっています。コアがどこに現れるかはナイトウォーカーごとに様々ですが、心臓のある胸か、脳のある頭部に現れることがもっとも多いようです。
 ナイトウォーカーのコアを破壊することは非常に困難ですが、コアだけでは移動することもその力をふるうこともできないただの石状の物体です。
 またコアが形成された後は、それを分解し、もとに戻るために準備が必要となります。この分解には2〜3日かかるため、不利な状態でコアがまだ無事であるのであれば、多くのナイトウォーカーは可能な限り逃亡を選択します。

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形状
 ナイトウォーカーが実体化した場合、その形状は元の生命体から大きく変異します。
 一般的なナイトウォーカーの形状は、何か特定の「昆虫」ではない、節足動物や昆虫に似た外骨格の生命体となります。目や手足の関節などは、虫のような複眼や節足となります。また変容後の大きさは、元の生命体より一回り大きくなります。その他、体のどこかには宝石のようなコアが露出しています。
 この変容は全身に起こるだけとは限りません。一部分だけ変容させ、不意打ちを行なうことも可能なナイトウォーカーもいます。しかしどのような場合でも、必ず頭部は変容することになります。それ以外の変容していない部分は、もとの生命体そのままです。
 なお負傷したナイトウォーカーは、消耗した体力や小さな怪我を回復することは出来ますが、切り落とされた四肢をくっつけたり、新たに生やしたりというような再生は、普通行なうことができないようです。

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獣人たちの対策
 獣人たちのナイトウォーカーへの対策は、その手段が非常に限られています。
 まず、ほとんどのナイトウォーカーは、潜伏している状態では正体を現しておらず、獣人たちにもその存在を感知することができないためです。このため、下級の、一般人よりやや強い程度の力を持つナイトウォーカーでも、獣人たちが変身していない瞬間を狙って攻撃をかけてくるため、獣人にとっての脅威になりえます。
 またナイトウォーカーに関する知識も、体験談以外にはほとんどありません。ナイトウォーカーと頻繁に遭遇するようになったのは情報化が進んだここ数十年ですし、研究しようにもナイトウォーカーが情報生命体に戻るメカニズムは通常の手段では止めることができないため、研究のしようがない、というのが現状です。
 このため、ナイトウォーカーへの対策は、いかにして実体化した後に倒すか、という部分に集中しています。幸い、ナイトウォーカーの防御力はせいぜい獣人なみであり、人間でも物理的に倒せなくはないため、本能的な部分から、ナイトウォーカーは周囲に被害を出したり、街中で考えなしに獣人を襲って、自らの存在を広めようとはしません。
 WEAはこの敵の傾向に、芸能界に所属している獣人(つまり、全ての獣人)に自主的な活動を呼びかけています。この呼びかけにほとんどの獣人は応えており、独自に対ナイトウォーカーの依頼が出されたり、芸能活動と並行して情報を集める、といった依頼も少なくありません。
 このように獣人たちは、ロケの空き時間を利用して戦ったり、戦闘風景を編集して映画の1シーンに使うなど、芸能活動に紛れ込ませる形で、ナイトウォーカーをおびき出し退治する、という対策を一般的にとっています。
 またそれ以外には稀なことですが、現在では失われたオーパーツや遺跡を用いて直接ナイトウォーカーを封印したり、ナイトウォーカーの存在を感知する方法が見つかることもあります。

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