それゆけ、オーストラリア探検隊!

■クエストシナリオ


担当:姫野里美

対応レベル:

難易度:

成功報酬:-

参加人数:17人

サポート参加人数:-人

冒険期間:2007年03月01日
 〜2007年03月31日


エリア:オーストラリア

リプレイ公開日:03月20日21:33

●リプレイ本文

第二回:探し物なんですが。

●まいご保護しました
 物語は、探検隊達が、アロサウルス討伐の代わりに、ステゴサウルスの子供を拾ってしまった所から始まる。
「ただいまー。とりあえず、残りのアロは、他の場所で狩りってるみたいだぜ」
 リトルフライで、戻り道の状況を確かめていたジヴラシア・バルドリード(ec0209)が、空中から舞い降りて、そう言った。
「ひとまず、この周囲だけでも、ブレスセンサーかけておいた。こっちの緑色が、草食で、赤いのがアロだ」
 彼が、皆に広げて見せたのは、アリススプリングスを中心として、近くの湖までの地図だ。それには、彼が魔法をかけた結果が、簡単に記されている。
「結構離れてるな。よし、今のうちに戻ろう」
 少なくとも、赤の光点‥‥つまり、アロサウルスは、アリススプリングスの反対側だ。そう判断するイグニス・ヴァリアント(ea4202)の横で、残されたステゴサウルスが、不安げに「きゅう‥‥」と鳴く。
「心配するな。ちゃんと餌のある場所まで連れて行ってやる」
 冷たい言い方をしながらも、特徴のあるその背中を撫でているイディア・スカイライト(ec0204)。目じりが垂れ下がっているあたり、口で言うほど、面倒がってはいないようだ。
 こうして、アロサウルスを迎撃していた面々は、それぞれの手段で、アリススプリングスへと戻った。まだ、簡単な堀と策が出来たばかりの場所だが、ジヴの恐竜マップのおかげで、何とかたどり着く事が出来たようだ。
「ふう。割と何とかなるもんだな。かと言って、油断が出来る環境じゃないんだが」
 ほっと胸をなでおろすイグニス。しかし、それもつかの間。急に現れたステゴサウルスに、先行組みが驚いて騒ぎ始めた。
「うわ。どうしたそいつ!」
「いやー、拾っちまって」
 あんぐりと口を開ける先行組アデュー氏に、乾いた笑いを浮かべながら、事情を説明する彼。
「母親竜はどうしたんスか?」
「アロに食われていた。残念ながらな」
 ぶっきらぼうに答えるイディア。その割には、まるで守るように、アデュー達と子恐竜の間に立ちふさがっている。
「そう言うわけで、俺にとっての当面の問題は、このでかい子供をどうするか‥‥なんだが」
 イグニスがそう言って、子恐竜の方へと向き直ると。
「きゅうるるる‥‥」
 おちびちゃんは、いなくなった母親の死体がある方面を見つめて、悲しそうな泣き声をあげている。
「色々と記録をとれば、恐竜の生態解明にも役に立ちそうだな」
 イディアもそう言って、子恐竜の前にしゃがみこみ、その表情をつぶさに観察していたのだが。
「うきゅ?」
 つぶらな瞳で、不思議そうに見つめ返されて、思わず「はうあっ!」と悲鳴を上げる彼女。
「きゅ〜」
 どうしたの? とばかりに首を傾げられ、イディアさん、鼻の下が伸びている。
「クリーンヒットしたな‥‥」
 ニヤニヤしながら、その様子を見守っているイグニス。と、子恐竜くんは、やおらしょんぼりしたように、首をしおれさせてしまった。
「きゅうー」
「おなか減ってるんだろうか‥‥」
 元気のなくなった子恐竜を、心配そうに撫でるイディア嬢。その様子を見たイグニス、こう思い立つ。
「アロに追いかけられたからなー。なんか食わせてみるか。と言っても、何を食べるのかわからないが‥‥」
 きょろりと周囲を見回すイグニスだったが、アリススプリングスにあるのは、恐竜に襲われそうにない植物ばかりだ。さもあらんと思う彼。もし、ここに恐竜の好物があれば、草食恐竜たちも、どかどかやってきてしまうだろう。
「とりあえず、保護した近辺に生えてる草で良いんじゃないか?」
 同じように周囲を見回して、そう言うイディア。ステゴサウルスは、この辺りにも沢山生息している。同じ所属なら、食べるものも同じじゃないかと言う事だ。
「それなら、この辺に生えてるのと変わらないな。よしよし。ちょっと待ってろ」
 イグニスがそう言って、近くに生えていたシダの歯を切り取ってくる。しかし、子恐竜は、ちょっとかじっただけで、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
「あまり食べないな」
 イディアが小さく切り取って見るものの、なんだかとても食べにくそうにしている。
「硬いから歯が立たないんじゃないか? まだ子供だし」
「では、ちょっとすりつぶして見るか」
 あーだこーだとはじめる2人を見て、アデューさんがぼそりと一言。
「おいおい。それはいいが、こんなど真ん中で恐竜育成なんぞやらかしてくれるなよ」
「それもそうだな。子恐竜、こっちにおいで」
 気付けば、イグニスとイディアは、村の広場のど真ん中を占拠してしまっていた。申し訳なさそうにイディアが言って立ち上がると、子恐竜くんは「きゅう」と一言鳴いて、くっついてきている。
「言う事は聞いてくれそうだな」
 のしのしぽてぽてと後をついていく子恐竜を、イグニスは微笑ましく見守る為、やっぱり一緒についていくのだった。

●何もかもがごつい
 さて、その頃。アリススプリングスに戻ってきた、他の面々は、恐竜対策を兼ねて、拠点の周囲に、罠を張っていた。
「えーと。こんなもんでいいかな」
 キリル・アザロフ(ec0231)がそう言って、ロープの調子を確かめる。足をひっかける罠の要領で仕掛けられたそれは、ぱっと見た限り、まったく気付かない。
「あに作ってんだ?」
「トラップです。一応」
 ファン・フェルマー(ec0172)の問いに、そう答え、虎バサミの製作に取り掛かるキリル。しかし、サイズは大型の獣が引っかかる程度。大型恐竜‥‥例えば、アロサウルスクラス相手には、いかにも頼りない。
「こんな小さいのだと、踏み潰されそうな気がするが‥‥」
「小型のモノくらいは、耐え切れるでしょう。それに、そっちの方が数が多いですし」
 キリルも、それは分かっているらしく、設置場所は、東雲が先月掘った落とし穴の底だ。上手く大型恐竜が引っかかればいいんですけどねー‥‥と、そう呟くキリル。
「さて、待っている間に、今度は野菜を捜しに行きますか」
「そーだなー。肉だけだと、絶対栄養が偏るし」
 ファンも、恐竜よりは、珍しい植物を求めていた。それに、大きな植物ともなれば、建築資材にもなる。そう言うわけで、2人は様子を見るため、アリススプリングスの外輪部から、森のある西側を覗きに行ったわけなのだが。
「む。ちょっとまずいなー」
 ファンが眉をしかめている。見れば、小さな沼地に囲まれるようにして、マイアサウラが子供を数匹連れていた。カモノハシのような外見をしたその恐竜は、巣作りをする事で有名らしい。
「子育て中のマイアサウラは、気が立ってますからねぇ。うかつに近づくと、襲われちゃいますよ」
 キリルが、ため息をつきながらそう言う。一部を除き、どこの獣でもそうだが、子供を守る最中は、たとえ父親が近づいただけでも、怒る。
「しかしなぁ。村で聞いてきたスパイスハーブは、あいつらが餌食ってる向こう側の森にあるんだよなぁ」
 困ったようにそう言うキリル。村で聞いたところ、恐竜料理に使う素材は、そのマイウアサウラがいる向こう側に生えているとの事。
「しばらくしたら、いなくなるでしょう。反対側の湖に行ってみません?」
 しかし、むやみに喧嘩を売っては、こちらが痛い目を見る。いつ死んでも公開はしない主義だが、キリルは無謀な挑戦よりは、安全な湖で、食料の調達をしようと主張する。
「そうだな。魚釣りの間に、どうにかできるかもしれん」
 ファンも、その周辺で、恐竜以外の獲物を手に入れたいようだ。そう言うわけで、意見の一致した二人は、例の湖へ赴き、釣り糸をたらす事にした。
「さて、この辺で良いかな」
 足元には、色とりどりの魚が泳いでいる。2人とも、漁の経験はないが、釣り糸をたらすだけなら、どうにかなりそうだ。
「お、かかったぞ。ロシアの魚とは、ちょっと違うけど」
 その証拠に、程なくして、一匹の魚が釣りあがる。まるで鎧をまとったかのように、ゴツゴツとした外見の魚だった。
「ゴツいですねぇ」
「骨がないな。厳密に言うと、魚とは違うのかもしれない」
 近くにあった平たい石の上で、試しに捌いてみると、皮は何かの武器に加工出来そうなほど硬いが、普通の魚に見られるような骨がなく、白身の肉は、彼らの口にも合いそうだ。
 と、その時である。
「な、なんか通った‥‥」
 ゆらりと、水面をたゆたう巨大な影。驚いて身を固めるキリルに、ファンは釣り針に引っかかった、甲冑魚の半身‥‥今しがた食われたらしい‥‥を見せつつ、こう判断する。
「やっぱりこの湖、でかいのがいるんだな。くそ、あの向こうには、そう簡単に壊れなそうな遺跡があるってのに‥‥」
 今のところ、魚ばかりを食べているようだが、いつ人間が襲われないかとも限らない。その一撃でも崩れないような建物は、湖の中央に見えるが、たどり着くまでが大変そうで、うっかり近づけなかった。
「結構連れたなー」
 そのうち、持ってきた釣り道具のびくは、甲冑魚でいっぱいになっていた。中には、三葉虫やアノマロカリスも混ざっているが、これはこれで火を通すと美味だそうなので、問題はあるまい。
「一度戻るか」
「そうですね。干物にする都合もありますし」
 こうして、アリススプリングスに戻るファンとキリル。しかし彼らは、そこで新たな問題が浮上しているのを、知る由もなかった‥‥。

●ただいま作業中
 ジヴの作成した恐竜マップは、東雲の『情報は共有すべし』と言う意見に従い、皆にも周知された。そして、そのマップを元に、手の空いている者達は、徒歩半日程の場所にある森に、外壁用の資材を調達しに向かった。
「おらーい、おらーーい」
 ロック鳥のヴィンセントに荷を運ばせ、その間はララディのシャルマに巡回をしてもらい、ゼルス・ウィンディ(ea1661)は自分のウインドスラッシュ、ヴィンセントのチャージでたたっ切った木を、まとめて運ぼうとしていた。
「ぐはーーー。硬くてなっかなかうまくいかないぜ」
 ファンも、植物採集の手を休め、街づくりに協力している。だが、木は硬く、人の力だけでは難しい。
「どいてろ。これを使って見る」
 そこへ、レオーネ・オレアリス(eb4668)がピナーカからクレセントアックスを降ろし、両手で構える。
「このぉっ!」
 気合一閃。スマッシュEXの要領で、力強く振り下ろされたそれは、硬い幹に、深々とめり込んでいた。
「残り3割か‥‥。だが、同じ場所に切り込めば!」
 続けざまに、斧を振り下ろすレオーネ。と、ほどなくして、めりめりと幹が悲鳴を上げ始めた。
「倒れるぞ! 気をつけろ!」
 警告を発した直後、どしぃぃぃんっと重量感のある音を立てて、木は地面へと転がっていた。かるく枝を落としていると、その枝を拾い集めているイディア。
「これはもらうぞ。うちには、欠食児童が多いんだ」
「一部はこっちにも回してくれ。本国へ送るサンプルにしたい」
 ファンがそう申し出てきたので、イディアは持っていた枝を数本、彼へと差し出す。その様子を見て、細い木を持ってきたイグニスがそう言った。少なくとも、ディニー達の突進に耐え切れるようにしないと、役には立たない。
「色々実験するしかないでしょうね」
 ため息をつきながら、そう呟くゼルス。力作業に関しては全くの素人だし、指示くらいしか出来ないのが難点だ。
「まぁ、それが開発ってモンだと思うぜ」
「そうですか?」
 そう言いながら、出来るだけの手は打とうと、ウインドスラッシュを木に打ち込むゼルス。ひびの入った所で、すかさずヴィンセントがチャージングをしかけ、効率よく木々を倒していた。
「大きい丸太は、こっちのころの上に転がせ! ロープをつけたらタイミングを合わせて引っ張るんだ!」
 こうして倒れた丸太は、ヴィンセントの体にくくりつけ、せーので押し出す。ころのおかげで、少しずつ前に進む丸太。こうして、数人がかりで、一本ずつ丸太をアリススプリングスまで持って行こうとしたわけだが。
「なぁ。何か視線を感じないか?」
 見張りに出ていたイグニスが、そう言い出す。レオーネ、「そう言えば‥‥」と、周囲を見回すと。
「やば! アロの奴、こっちに気付いた!」
 かなり離れてはいたが、騒ぎを聞きつけ、じぃぃっとこちらを見ているアロサウルス。
「やはりか‥‥。だが、まだ作業途中‥‥」
 そう言って、レオーネはワイバーンを呼び寄せ、パリマーの槍を手に飛び乗る。手綱を引き、空へと舞い上がる彼。
「仕方ないですね。シャルマ、頼みますよ」
 一方、ゼルスもまた、ララディのシャルマへとまたがり、空からアロサウルスの元へと向かった。何とかして追い返さないと、今後の作業に影響が出てしまう。
「こっちだって、技量は上がってるんだ。なるべくなら、排除してしまわないとな!」
 レオーネはそう叫ぶと、ウイバーンの腹を軽く蹴った。キィ! と一声鳴いて、スピードを上げた彼は、手にしたパルマーの槍を、チャージングの要領で、力強くたたき付けた。
「がるぎゃああああ!!」
「何とか貫通したか‥‥」
 苦しげに吼えるアロサウルス。空中から対処したことで、その分厚い皮膚を貫く事は出来たが、思ったほどダメージが与えられていないようだ。
「だが、空からやれば、何とかなるはず!」
「シャルマ! シャドウフィールドで視界をさえぎって!」
 一方のゼルスは、空からシャルマに魔法を放たせ、その間に限度いっぱいまで上げたトルネードを放つ。巨大な‥‥と言うに相応しい竜巻は、同じくらいの体格を持つアロサウルスを持ち上げ、地面へと叩きつけていた。
「やっとおっぱらったか‥‥」
 12mの高さから落とされたアロサウルス、くじいた足を引きずりながら、よろよろと退散していく。
「いたたた‥‥。さすがにかすっただけ、侮れない攻撃だな」
 敵がいなくなった所で地面へと降りてくるレオーネ。だが、その腕からは血が出ている。、いくら行動が鈍ったとはいえ、強烈な牙でもって、やられたようだ。あわててキリルがすっ飛んできて、リカバーをかけていた。
「外壁が終わったら、今度は家だな。安全に手当てが出来る方が良さそうだ‥‥」
 その様子を見て、シャルマから降りてきたゼルスが、そう呟く。こうして、アロサウルスと言う脅威を取り去った一行は、数日かけて何とか木を切り出し、アリススプリングスへと運び込んでいた。
「で、これどうやって組み上げるんだ?」
「まずは何本化づつ、ロープで縛ってください。沢山ありますから」
 ファンの問いに、ゼルスが、エチゴヤ便から調達してきたロープを、どさどさと持ってくる。結構な数になる束で、言われた通り縛る彼ら。
「あとは、これを並べて、裏から横木と支えで補強しよう。手間はかかるが、手伝ってくれ」
 レオーネが、地面に図を書いて説明してくれた。こうして、切り出された丸太は、何本かを並べて横木をで補強された形を1パーツとし、アリススプリングスの周囲‥‥元々柵があった場所に並べられていく。
「ようやく、目処が立ったな。後は月末までにこの周囲を取り巻けばいいだけだ」
 その、組み上げられたパーツを見て、満足げに頷くレオーネ。木材の切り出しから並べるまで、次回の月道が開くまでの時間はかかりそうだったが、既に並んでいる外壁は、かなり頑丈そうに見える。
「あとは‥‥、内側か‥‥。ゼルス、出来るか?」
 次は、内部の作り直しだ。今はまだ、小屋程度のものしかないが、もし、恐竜に侵入されても大丈夫なように、作り直さねばならないだろう。
「いえ‥‥。設計は、他の学問と共に少しかじった程度の知識しかありませんし‥‥」
 一応、湿気と浸水を考えて、高床式にした方が良いとは思っていますが‥‥と、口ごもるゼルス。
「まぁ、余り格好の良いものは作れないと思いますが、不恰好でも可能な限り頑丈なものを作りたいです‥‥」
「お前なら出来るさ」
 それでも、意欲を見せる彼にそう言われ、励ましておくレオーネ。その間、自分は攻撃を仕掛けてくる恐竜の排除に取り掛かろう‥‥と、心に決める。
「しとめた恐竜は干し肉にするか‥‥。頼むぞ」
 ウイバーンの腹をなでながら、そう言うレオーネ。食材はいくらあってもいいだろう。ここには、腹を空かせた冒険者達が多いのだから。

●調べてみよう
 見つかったもう一つの部屋。そこへ足を踏み入れて見たゼファー・ハノーヴァー(ea0664)と、雪切刀也(ea6228)&涼は、壁に描かれたレリーフに、明かりを近づける。
「ふむ。これによると、このあたりは昔、もっと大きな川だったようだな」
 ゼファーがそう言った。そのレリーフには、見覚えのある湖と川、そして恐竜達。さらに人の姿もあった。まるで、大きな船を浮かべ、演習を行っていたようにも見えるレリーフ。その中心には、いかにも神聖王国ムゥらしく描かれた教会があった。
「先月潜った遺跡そっくりだな」
「古代語で書かれている‥‥? 私には読めないが、ゼルスさんなら、読めそうだな‥‥」
 そう言うゼファー。その脇には、なにやら文字らしきものが書かれている。彼女にも刀也にも、読める心得はなかったが、アリススプリングスまで持って帰れば、解読出来そうだった。
「おい。こっちに、まだ何か残ってるぜ」
 そのレリーフを、ゼファーが写し取っていると、刀也がなにやら持ってきた。見ると、水差しと器のようにも見える。それにもまた、なにやら文字が刻まれていた。
「生活用具かな‥‥。持って帰って、解析してもらおう」
 裏をひっくり返すと、長い間ほったらかしにされていたせいか、穴が開いていた。文字自体は、彼らには読めないが、なんらかの出土品ではありそうだ。他にも、いくつか生活用品が出てきた為、2人はそれを分担して持つ事にした。壁に描かれたレリーフは、丁寧に羊皮紙へ写し取り、炭が落ちないよう、丁寧に梱包する。
「うーっ。わんっ!」
 その時、涼が出口に向かって吼えた。
「何か来たらしいな‥‥」
 ゼファーがブレスセンサーのスクロールを広げる。と、大型生物の息遣いが映し出された。おそらく、先ほど狩りに行っていたヴェロキラプトルだろう。
「ちっ。意外と早く戻ってきたな‥‥」
 獲物が取れなかったのだろうか。それとも、意外と長く自分たちが調査していたのだろうか。それはともかくとして、刀也は剣の柄に手をかける。警戒を続けるように、低くうなる涼を抑えつつ、彼はゼファーに反対側の出口を指し示した。
「逃げるぞ。ここで戦ったら、遺跡が壊れるしな」
「違いない」
 頷くゼファーも、既に星天弓を構え、いつでも撃てる体制だ。
 だが、世の中そうは上手く行かない。2人が、入ってきた方角と反対側に走り出ると、そこにいたのは、やはり恐竜達。
「ちっ。こっちにもいたか‥‥!」
 ラプトルは全部で3匹。驚いたのか、きしゃあと警戒したように牙をむく。そして、助走をつけると、遺跡の床を蹴った。
「えぇいっ。こっちにくるな!」
 がきぃんっと金属のような音がして、刀也は手にした十手でそれを受け止める。はじかれたラプトルは、ボールが跳ねるように、もとの地面へと着地し、きしゃあと一声。それが合図だったのだろう。もう二匹が、ぐるりと2人の周囲を取り囲む。
「囲まれたか‥‥」
 ぎりっと唇をかみ締める刀也。背中合わせになりながら、襲ってきたラプトル達を警戒する2人は、何とかして囲みを突破しようと、狙いを定める。
「ついていけるか?」
「何とかな」
 すらりとした身体つきをした小柄な体躯は、刀也よりも素早い。だが、ゼファーによけられない程ではない。
「俺もだ。突破するぞ!」
「ああ!」
 刀也がスマッシュを目の前のラプトルに振り下ろすと同時に、ゼファーが足の指を狙って、シューティングポイントアタックを放つ。
「ぎしゃああ!!」
「ぐぁっ!」
 足をやられたラプトルは、苦し紛れに、目の前の刀也に食らいつく。避けようとした彼だが、意外と相手の動きは素早く、右腕をかじられる。
「わんっ。わんっ!」
 主のピンチに吼えまくる涼。
「このっ!」
 やらせるか! とばかりに、ゼファーが次の矢を放った。至近距離で放たれたそれは、ラプトルの鼻先に突き刺さり、どうっと倒れる。
「すまん。助かった。涼、ありがとうな」
「いや‥‥とどめは俺じゃない‥‥」
 右腕を抑えながら、愛犬とゼファーに礼を言う刀也に、彼女は首を横に振る。その表情には厳しいものが浮かんだまま、ラプトル達の向こう側に在る気配に、弓を向けていた。
「これは‥‥!」
 ラプトルの死体を見れば、明らかに彼女のものではない矢が突き刺さっている。しかも気付けば、他のラプトル達にも、同じように矢や鎌が突き刺さり、すでに絶命している。
「危ない所だったな。と言うべきか」
「お前達は‥‥」
 声をかけられ、驚く刀也。暗闇の向こう。ちょうど出口の辺りから姿を見せる男達。明らかに、JJが言っていた謎の遭遇者ではない。自分達と同じ冒険者だった。
「だが、お前達を帰すわけには行かない。少し付き合ってもらおう」
 そして、その鎌は、今度は刀也達に向けられている。
「涼、こっちにおいで‥‥」
 偉い事になったな‥‥と思いつつ、愛犬をはぐれないように呼び寄せる刀也。きゅうんと心配そうに声を上げる涼を片手で抱きしめつつ、彼はゼファーに問う。
「どうする?」
「出来ればやりあいたくない。向こうの立場、実力が不明だし、こっちの目的は遺跡調査だ。いざこざは無い方がいい‥‥」
 首を横に振る彼女。もし、ここで囲みを突破したとしても、刀也は怪我をしている。アリススプリングスまでたどり着く前に、血の匂いをかぎ付けられないとも限らない。
「そうだな。人数少ないし、折を見て脱出しよう‥‥」
「‥‥連れて行け」
 相談がまとまったと見るや、相手のリーダーは部下らしき御仁に命じる。促され、後についていく二人だった。

●新たなる遭遇者
 その湖は、とにかく大きかった。
「すご‥‥。これに比べたら、アリスの湖なんて、池じゃない?」
 セラフィーナ・クラウディオス(eb0901)が、湖の光景を見て、感心したようにそう言う。それもその筈。湖は、対岸が見えないほど巨大だったのだから。
「見渡す限り水だらけ〜。何かありそうな匂いが、ぷんぷんするのらー」
 目を輝かすミーファ・リリム(ea1860)。ヒノミ・メノッサの名前と、古代語が書かれた遺跡は、サンワードからは『湖』と答えられたので、おそらくこの近辺にあるのだろう。
「川の先に、こんな湖があったなんて‥‥。とりあえず。沿岸からせめて見ましょ」
 カサンドラ・スウィフト(ec0132)は、湖の大きさと位置関係を探る都合上、周囲を歩いて探す事にしたようだ。
「あったよーーー!」
 しばらくして、ミーちゃんがサンワードとテレスコープで空中から探した所、少し下流方面に歩いた湖畔に、石造りの碑が置いてあった。
「よく見つけたわねー」
「いやー。ほら、ヒノミちゃん。遺跡ごとに石碑置いてそうらけろ、海を目指すってのは、わかってたのら。らから、きっとこの辺って思ったのら」
 パープル女史に偉い偉いとなでられて、えへへへ‥‥と顔をほころばせるミーちゃん。その石碑の場所を、地図に書き記しながら、一行は彼女の先導で、そこへと向かった。
「何々‥‥。この湖は、底が起伏に富んでおり、まるで塔の立ち並ぶ港町のようだ‥‥か」
 パープル女史が読み上げる。それによると、この湖の底にもまた、遺跡があるようだ。そして、それを示した図の上には、建物らしき絵と同じくらいの巨大な影が描かれている。その絵を見た一行、口々にこんな事をのたまう。
「わー。でっかいお魚が書いてあるのらー。美味しそうなのらー」
 相変わらず食欲全開なミーちゃん。口からよだれが垂れている。
「この大きさだと、皆で食べきれないかもね」
 これはキャシー。保存食の作り方なんぞよくわかっていないので、その日のうちに食べてしまおうと言う魂胆らしい。
「魚とは限らないわ。恐竜かもよ」
 セラがそう言った。だが、両方とも、お腹に入れば一緒である。まぁ、なんにせよ、巨大生物が潜んでいるのは、確かなようだ。ここでは、大半の生き物が巨大だが。
「その割りに、沿岸のサイズは普通ですね。見て、木の実が沢山です」
 水葉さくら(ea5480)が、図鑑に記された実を指し示してそう言った。食べられる実らしいそれを、荷物台に収穫しつつ、彼女は下の方に生えていたシダをじぃぃっと見つめている。
「これ、あの子も食べるかなぁ。お土産に持って帰りたい」
「帰りにしとけば? 今持って帰ると、しおれちゃうわよ」
 あの子‥‥と言うのは、おそらくディニーの事だろう。だが、パープル女史に、旅が長くなる事を示唆され、「では、育てられるように、苗をもらいましょう」と、その周囲の土ごと、木の皮で包んだ。
「グルルル‥‥」
 だが、その作業が終わった直後。シェルドラゴンのメメくんが、警戒したようにうなり声を上げる。
「‥‥レディ」
 東雲辰巳(ea8110)が刀の柄に手をかけた。同時に、パープル女史も、「ええ‥‥いるわね」と、ライトハルバードを手に取る。
「さくら。メメくんを岸まで戻して。でかいのが、餌と勘違いしてるみたいよ」
「は、はいっ」
 さくら自身も、何かが接近する気配は感じたらしく、あわててメメくんを岸へと引き上げる。
「後10m‥‥来るわ!」
 キャシーがそんなさくらの前に立ちはだかる。その‥‥彼らに浴びせかけられた大量の水しぶき。向こう側に、光を反射したのは、長い首を持つ流線型の恐竜だった。
「大きいわね!」
「すごいのら! ヒノミちゃんの言ってたのが、本当になったのら!」
 目を丸くするセラと、逆に輝かせるミーちゃん。体長10mはあるその体躯を見て、パープル先生、種別を特定してくれた。
「首長竜ね‥‥。淡水性か、もしくははぐれ竜か‥‥」
 本来は海に生息する恐竜さんである。と、泳ぎ回るその姿を見たセラ、驚いたように口元を指差した。
「ちょ‥‥! 何か引っかかってる!?」
 見れば、首長流の顎に、なにやら1m半ちょっとの物体がぶら下がっている。
「って、人間さんじゃないの!? 助けなきゃ!」
「言われるまでもない!」
 目のいいセラ、それが他の動物ではなく、人の形をした者と気付いた。即座に重藤弓へ矢を番える。同じくバルディッシュにオーラパワーを乗せたキャシー、湖に膝まで浸かりながら、首長竜へ向けて、その勇壮な刃を振り下ろす。
「どれだけ通じるか分からないけど‥‥。装甲の薄いところを狙えば!」
 ざしゅうっと肉を切り裂く音がして、皮膚から血が流れた。
「ちょっと東雲! あんたも剣持ってるんだから、戦いなさいよ!」
「俺のは剣じゃなくて、刀だっ!」
 少し遅れて東雲が、霞刀でもって、口元めがけ真空の刃を放つ。
「えぇいっ」
 牙にひびが入ったと思われるところで、さくらが力の限り鬼剣‥‥斬鉄を振り下ろした。ぱきりと折れた牙と共に、挟まっていた人物が、ばしゃあんっと水面に落ちる。
「どうやら、歯に挟まってたのが、気持ち悪かったみたいね」
 それが取れた瞬間、下流の方へ潜っていく首長竜を見て、パープル女史は、安心させるようにハルバードを収めるのだった

●交渉
 案内された場所は、村人がずらりと取り囲んだ広場の中心だった。居住区とはまた別なのだろう。住んでいると言う感じはなかった。
「‥‥まぁ座れ。じっくりと話し合いたいのだろう?」
 そこへ現れたのは、前回ジョーイ・ジョルディーノ(ea2856)達を追い返した男だった。彼は、仏頂面のまま、彼らの前へと歩み寄り、自ら腰を下ろす。村の女性らしき御仁が、手製の茶を持ってきてくれた。
「あんたが話に聞いていた長老か。それにしちゃ、意外と若いな」
「意外とは余計だ。この村は、恐竜の只中にあるせいか、成長率が悪いのでな」
 ルカ・レッドロウ(ea0127)の一言に、彼は周囲を顎で示した。確かに、皆若い。普通なら、色んな年代の者がいてしかるべきなのだが、ほとんどが20代だ。
「こいつは手土産だ。和解して欲しいとは言わないが、機嫌直してくれねーかな」
「‥‥受け取るだけは受け取っておく」
 ジヴの差し出した酒を、彼は表情を殺したまま受け取ってくれた。それだけの判断が出来ると言う事は、完全に嫌われているわけではなさそうだ。そう判断したJJ、口元には笑みを浮かべ、そして目はじっとその男を見据え、こう切り出す。
「交渉が出来る状態ではありそうだな。で、“また”来たってのは、誰の事だい?」
「無論。貴様達の事だ。ここ半年で、3倍に増えている」
 質問攻めにしようといきまくJJに、彼はそう答えた。
「なんで来るべきじゃあないんだ? 俺等が客なら、あんたは?」
 油断の出来ない相手だから‥‥と、次第に剣呑な視線を浴びせかけるJJを見て、ルカが横から肩をぽむぽむと叩いた。
「まぁ待て。俺達ばかり話しても、困らせるだけだぜ」
 そして、ひと呼吸置いて、ルカは長老と言う名のリーダーの返答を待った。
「我らがよそ者を排除するのは、お前達が嫌いだからとか、そう言う理由ではないのだ」
 ややあって、彼はそう答えた。なにやら、背後に事情があるな‥‥と知ったルカ、おもむろにこう続けた。
「ここは…あんた達にとってどういう場所なんだ?」
「遺跡は、我らにとって神聖な場所だ。そして、我々が生き残る為の、防衛ラインでもある」
 そう言って、彼は立ち上がった。そして、村人をかきわけ、村の外‥‥ちょうど高台から、湿地帯を見下ろせるような場所へと案内してくれる。そこから見た風景は、明らかに森が切り開かれたのが垣間見えた。ごっそりと抜け落ちた毛のように。
「貴様達が来る事で、ここの結界は徐々に弱まりつつある」
 そう言って、男が指し示した所には、明滅を繰り返す遺跡があった。ちょうど、切り開かれた森の手前。アリススプリングスの反対側だ。
「そして、貴様達は、このあたりの頂点に君臨していたアロサウルスを倒す事によって、均衡を崩した」
 男の台詞に、4人は怪訝そうな表情を浮かべる。とどめは刺さなかったはずなのに。「あいつらは、弱った恐竜は、例え肉食でも食らってしまうさ。見ろ」
 村の反対側を見れば、半ば食われたアロサウルスの死体。その周囲には、がつがつと肉をむさぼる中型恐竜の姿があった。
「あれは‥‥」
「ヴェロキラプトル。そして、トロエドン。本来ならば、山の向こうの平原に、生息する恐竜達だ」
 彼らは、数体の群れで行動していた。そして、時折何かを感じ取ったかのようにこちらを見‥‥、また歩き出す。縄張りを広げているような仕草を見て、高町恭也(eb0356)が不思議そうに聞き返した。
「あんた達は、その恐竜を手名付けているんだろう? だったら‥‥」
 あいつらを手なずけるのも、簡単に出来るんじゃないのか? そう言いたげな彼に、男は首を横に振る。
「我々は、決して手名付けているわけではない。子供の頃‥‥卵の時分から共に在る。いわば魂で結ばれた兄弟とも言うべき存在だ」
 ふむ‥‥と、考え込む恭也。冒険者達も、卵からペットを育て上げ、その絆を高めようとする。それと同じ理屈なのだろう。
「その恐竜の卵を盗み密輸しているものがいるらしい。何か知らないだろうか‥‥?」
 恭也、もしかしたら‥‥と、尋ねてみた。すると男は、考え込む仕草で、こう呟く。
「そうか。通りで卵が見つからない筈だな‥‥」
 顔を険しくする彼。
「お前達も、卵を‥‥?」
「誤解するな。我らは自分達の生活を守る為にしか、卵を利用してはいない」
 冒険者を嫌う我らが、どうして冒険者の利益になるような真似をする? と、そう続けるリーダー。どうやら彼らは、卵を生活の為に利用してはいるものの、密輸商人とは、関係なさそうだ。
「いや。貴殿らの事はわかった。後、もし出来るなら恐竜の乗り方とかを教えてもらえるとうれしいのだが‥‥」
「‥‥その背を許されたいのなら、心を通わせるといい。言葉などなくていい。何らかの手段で、ダイナソア達の友となれ。我らは昔から、そうしてきたのだから」
 やはり、絆を上げないといけないようだ。
「心を通わせるか‥‥。何か道具とかないのか?」
「少なくとも、我々はそんなものには頼っていないな。もっとも、古代の遺産には、そう言ったものがあるかもしれないがな」
 しかも、彼らはその心を通わせる際に、道具を使ってはいないらしい。「そか‥‥」と、思案する表情の恭也。
 質問が終わったと見た男は、静かな口調でこう告げる。
「我々は、この地に根ざす者。そして、お前達は遠き地より来た客人達。もてなすのは当然と言いたいだろうが、貴殿らの存在そのものが、我らの生活を脅かしかねない以上、協力体勢を取る訳にはいかん。出来れば、速やかにお帰り願いたい」
 その返答に、JJはガイドが無理そうだなと思う。
「実は、仲間が行方不明で、探すのに案内頼もうかと思ったんだけどな‥‥」
「よそ者に聖域を汚されるを嫌う我らが、そんな事をするわけがないだろう」
 嘘をついている風情はない。仕事柄、相手が自分を騙しているかどうかは、分かるつもりのJJ。
「なるほどね。わかったよ、おっさん」
 と、それはルカも同じだったらしい。JJが「良いのか?」と確かめると、彼はこう言った。
「言い分はわかったさ。そして、こいつらは密輸商人じゃねぇ。だったら今は、お互いの歩む道を考えようぜ」
 そして、交渉は終わったとばかりに席を立つ。その姿に、JJやジヴ、恭也もそれに倣った。
「また来るかもよ」
「‥‥心しておこう」
 最後に、リーダーにそういい残して、ルカはにやりと意味ありげに笑って見せると、アリススプリングスへの帰途へつくのだった。

●夜行恐竜と謎の疫病
 ところが、である。
「ただいまー」
 何とか、アリススプリングスに戻ってきた彼らを待ち受けていたのは、具合を悪そうにしている調査隊の面々だった。
「って、なんか皆、ばたばた倒れてるんだけど!?」
 ジヴが、おろおろした様子で、あちこちの小屋を訪ねる。と、やはり顔色の悪そうな表情で、ゼルスが村での事を尋ねてきた。
「お帰りなさい。どうでした?」
「2人の居所は知らないみたいだった。と言うか、冒険者が自分たちの村に入られたくないみたいだったぜ」
 事情を説明するルカ。それを聞いて、ゼルスは「なるほど。では、この現状は、原住民さん達のせいではないようですね‥‥」と、肩を落とす。
「どうしたんだよ。いったい」
「実は、原住民さん所に行った直後から、皆さんがばたばた倒れてしまって‥‥」
 ジヴが事情を尋ねると、ゼルスは留守中の事をそう言った。特に、体力のない者達から順に、倒れてしまっているらしい。
「きゅう‥‥」
「だ、大丈夫‥‥だ。今、持ってきてやるから‥‥」
 それでも、イディアなどは、愛するディニーの為に、何とか仕事をこなそうとする。
「無理するな。餌なら、俺が持ってきてやるから」
 倒れそうになる彼女を、横から支えるイグニス。
「疫病か‥‥。薬草がすぐに見つかればいいんだが‥‥」
 一方、ファンは手にした自作の植物標本の中から、役に立ちそうなものを探していたが、固有種も多く、余り判別出来ていない。
「大変だ! バリケードの外に、変な奴がいる!」
 外の見張りをしていたレオーネが、駆け込んできた。見れば、遺跡の村で見たのと同じ奴が、外壁の外側をうろうろしていた。
「ラプトルとトロエドンの奴、アロがいなくなった事で、このあたりまで狩場を広げたんだな‥‥」
 ルカ、そう呟く。村と、拠点までは距離にして2日。行動力のある恐竜なら、縄張りを広げたとしても、おかしくない。
「生態系のバランスが崩れたと言う事ですか‥‥」
「ああ。もっと増えるだろうよ。美味しい餌を求めてな‥‥」
 ゼルスの問いに頷くJJ。
「うかつに出られないな。行動がパターン化してるわけじゃなさそうだし、このあたりにいる小型恐竜と同じとは、考えない方が良さそうだ」
 イグニスが彼らの動きを見てそう言う。今までの恐竜なら、とりあえず体当たりと言った所だが、今回の二種類は、警戒心が強いのか、罠の仕掛けてあるあたりには近づいて来ない。
「まずいな‥‥。外壁が出来上がったばかりだと言うのに‥‥」
 レオーネが、ウイバーンを従えてそう言う。空から攻撃する事は可能だが、数が10匹を越えている。うかつに仕掛けては、こちらが食われてしまいそうだった。
「なぁ、もしかして‥‥あれもか?」
 その時、ジヴが空を指し示した。見れば、天空をゆっくりと滑空する比翼を持った鳥のようなものが何匹も舞っている。
「なんでこんな所にまで、翼竜が‥‥」
「目立つ作業してたから‥‥かな」
 顔を見合わせる冒険者達。確かに、トンテンカンと盛大な音をさせていたような気がする。どうやら、対空と、対夜行も強化する必要がありそうだ。。
「けど、体力の弱い後衛さん達が、病気でやられちゃってますよ」
「どうしましょう‥‥」
 今月も、問題は山積み。果たして冒険者達は、このピンチを乗り越える事が出来るのだろうか。
 以下、次号!!

今回のクロストーク

No.1:(2007-03-03まで)
 あなたが遺跡に求めるモノはなんですか?

No.2:(2007-03-03まで)
 冬どさ出席確認。東京来れる人挙手。
来れない人、簡単な質問受け付けます。答えられない事もあるけど(笑)