世界の守護たる道

■クエストシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:

難易度:

成功報酬:-

参加人数:22人

サポート参加人数:-人

冒険期間:2007年03月01日
 〜2007年03月31日


エリア:インドゥーラ国

リプレイ公開日:03月20日22:48

●リプレイ本文

●大寺院に愛を込めて
──ベナレス中央・試練の階段手前
 いつものように早朝。
「なんで、そんな、ものが、あるなら、そっちに、案内、しない!」
 朝っぱらから階段手前で待機している阿修羅僧の胸倉をゆすぶりつつ、ウィルマ・ハートマン(ea8545)がそう問い詰めていた。
「い、いえ‥‥ですが、ここを昇る事が規定なので‥‥パラディンになる為の‥‥」
 必死にそう説明する阿修羅僧だが。
「誰が、そんな、ものに、なりたいと、言った!」
──ゴイーーーン
 そのまま頭突きを叩き込み、ふらふらとしている阿修羅僧にさらに問い掛ける。
「え‥‥は、はい‥‥では阿修羅僧に希望で‥‥」
──ゴッゴゴッゴッ
 おっと頭突きの4連発。
「こっちは観光に来たのだ。今更、趣味の悪い土着神に宗旨替えするつもりはない。力をくれてやるから改宗しろなどと、私の国では悪魔がのたまうことだ‥‥判ったら、とっとと案内せぇ!!」
 そのウィルマの言葉に、阿修羅僧はそのまま別ルートで大寺院へと向かうのであったとさ。


──大寺院
「ふぅん‥‥随分と立派な寺院じゃん‥‥」
 観光の如くやってきたウィルマが、大寺院正門前から奥に広がる大寺院を見渡した。
「ええ。ここには大勢のパラディンや阿修羅僧も住んでいますから」
 そう告げたとき、阿修羅僧の前から、一人のパラにディンがやってくる。
 仮面をつけ、銀の鎧を身に纏った女性。
「これはご苦労様です」
 深々と頭を下げる阿修羅僧。
 それに合わせて、ウィルマも頭を下げる。
「ご苦労様です。そちらの方は見学者ですか?」
「はい。手違いで『試練の階段』を昇っていたらしく‥‥」
「ええ。お蔭様で、いい運動になりました」
 そうニコリと微笑みつつ、ウィルマがパラディンに話し掛けた。
「ここの寺院について、色々と教えて欲しいのですが。歴史や背景、混沌の申し子などについて‥‥」
 そのウィルマの問いに、パラディンは静かに口を開く。
「構いませんわ。ではこちらへ‥‥」
 そう告げると、パラディンとウィルマ、そして阿修羅僧は奥に在る小さな塔へと向かっていった。

──塔
 入り口は開放され、様々な人々が塔の内壁に刻まれている碑文や古代文字などを見つめている。
「古き三つの柱の神々‥‥ふむふむ」
 辛うじて読める文字を拾いつつ、ウィルマが碑文を眺めている。
「三柱神とその眷族の伝承です‥‥古き神々の逸話、このインドゥーラに古くから伝えられている『実話』ですね」
 パラディンがそう説明を行うと、ウィルマはじっと文字を見つめている。

 記されている文字は『古き古代のヒンズー語』。

 様々な文字が入り組み、土地の人間ですら解読は困難であった。
 なもかかわらず、ウィルマの脳裏に、文字とその意味が流れ込んでくる。

「破壊神シヴァ・マハカーラ、混沌神ラリィ・ミューン、司法神アート・モ・ニッヒ‥‥古きこの神々を封印した少年アミジース‥‥その剣‥‥カリバーン?」
「至宝剣カリスマレスです。もっとも、古き名は神殺剣カリバーン、神々を封印した大いなる剣です」
「カリスマレスねぇ。まあ、俺には関係無いし‥‥」
 と、そのまま壁の文字を眺めているウィルマ。

──コツコツコツコツ

 と、何処かウィルマの後ろから、何かが歩いて来る音が聞こえてくる。
「さて‥‥とりあえず大僧正に会いたいんだけど‥‥」
 そう告げつつ振り向くウィルマ。
 だが、その場には誰もいない。
「面白い冗談じゃん‥‥」
 そう呟きつつ、塔の外に出るウィルマ。
 そこは正に、修羅場であった。

 大勢の戦士と、見たこともない異形の存在が戦っている。
 巨大な姿、八面十二臂の深紅の魔物。
 其の手に握るは様々な武具。
 そしてそれらを振りかざし、近付く者を次々と薙ぎ倒していた。

「あ‥‥ああ‥‥これはやばい。かなりやばいじゃん‥‥」
 一歩下がるウィルマ。
 だが、そのウィルマの動きを、目の前の魔物が気付いた。
「‥‥ヒトノオウヨ‥‥ナゼワレヲフウズル‥‥」
 低い、怒りと悲しみの混ざった声。
 それがウィルマの魂に響いてくる。
「人の王? 封ずる? 一体どういう事だ!!」
 そう叫んだ時、突然視界が元に戻る。
 目の前には心配そうに見ている阿修羅僧とパラディンの姿があった。
「突然‥‥どうしたのですか?」
 そう告げるパラディンに、ウィルマはしばし考える。
 だが、何が起こったか全く見当がつかない為、ウィルマはそのまま『大丈夫』とだけ告げて、其の日は宿に戻ることにした。


●果てしなき山門より
──階段の試練・第二陣
 さて。
「‥‥今までの事を踏まえて、まずはオーラを身に纏いましょう」
 一次休憩所にて、レナード・ガーランド(ec0215)が仲間たちにそう告げている。
 今回の目的は、この第二階段の突破。
 その為に、今まで入手してきた知識をフルパワーで考えるレナード。
「おいらはオーラが使えないけど、阿修羅僧さんたちは昇っていける‥‥」
 フォン・ラーマ・ルディア(ec0226)はそう呟くと、一次休憩所で待機している阿修羅僧をじっと見る。
 座禅を組んで瞑想しているもの、普通に肉体の鍛練を行なっている者など、様々である。
(単純に精神力だけを使えば良いのかな‥‥それともオーラとは別の『気』みたいなものを必要とするのかも‥‥)
 そう告げつつ、考えていてもどうにも答えが出てこないフォンは、パタパタと阿修羅僧の近くに向かった。
──ピコーーーン!!
 そして、彼等が修行中に呟いている言葉を耳にし、なにかがひらめいた!!
「そっか!! そんなに難しく考える事はなかったんだー」
 そう告げると、フォンはパタパタと階段に向かって飛んでいく。
 取り敢えず10段目まで飛んでいくが、力を奪われるような感触は全くない。
「‥‥お経かしら‥‥」
 フェイ・グリーンウェル(ec0238)は横を昇っていく寺院関係者達をずっと観察していた。
 と、どの阿修羅僧ものんびりとした足取りで一歩一歩確実に上がっていく。
 共通することは、どうやらヒンドゥー語の難しいお経を唱えている事である。
「今ひとつ、細かい所は判りませんけど‥‥」
 判った部分だけなんとなく告げつつ、階段を一歩昇るフェイ。
──シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ
 と、明らかに身体から何か力が奪われていく事を、実感できるようになっている。
「!!」
 慌てて飛び降りると、フェイはしばし思考。
 そして近くにいる阿修羅僧の元に向かうと、そこでいきなりこう告げる。
「すいません。阿修羅の教えとそれにかんするお経、教えて頂けませんか?」
「貴方はパラディン候補生ですね。関心です。では最初の部分から‥‥まずは私に続いて言葉を紡いでください」
 と、そんなこんなで、フェイはしばしの間、阿修羅僧の元でお勉強。
「私もご一緒させてください」
 と、コルネリア・ブルームハルト(ec0260)も共にお勉強の模様。

──一方、そのころの階段上昇組
「ハアハアハアハア‥‥アア‥‥もう駄目‥‥」
 かなりの高さまで昇ってきたのは鳳美夕(ec0583)。
 気力の続く限り上り、さらに限界に突入した瞬間に『フレイムエリベイション』を発動し、己を高めていた。
 だが、それでも限界のようであり、一歩も脚が動かなくなってしまった。
「‥‥こうなったら、最後の手段だね」
 そう呟くと、美夕は『ソーマ』を取り出し、それの封を開こうとする。
──パタパタパタパタ
 と、下からのんびりと飛んできたフォンが、通りすがりに美夕に一言。
「阿修羅の教え。『不飲酒戒』だよー。『我、飲酒し、放逸に流れざる戒をたもつ』だよー」
 そう告げて、さらにのんびりと飛んでいく。
 そしてその後ろからは、レナードがやってきた。
「ハアハアハアハア‥‥美夕もここまで来ていたのか‥‥」
 息を切らせつつそうつげると、レナードは1度そこで立ち止まり、流れる汗を拭う。
「え‥‥ええ。なんとかね‥‥」
 そう告げつつ、美夕は急いでソーマをバックバックにしまい込む。
「立ち止まるときも、常に己の意志を示してください。私の考えでは、この階段は阿修羅神が昇るものの意志を見る階段。その意志が弱ければ、力を奪われていくのでしょう。魔法や薬によってそれを押さえるのも、ここを突破したいという強い意志ですから‥‥」
 そう告げて、レナードはさらに昇っていった。

──そして
 眼の前に広がっているのは大寺院。
「ふぅぅぅぅぅぅ。疲れたぁぁぁぁぁ」
 石畳に台の時に広がって、フォンがそう呟く。
「パラディン候補生でないのに、ここに昇ってくるとはたいしたものだな‥‥」
 一人のエルフの僧侶が、そうフォンに告げる。
「ええ。パラディンと共に行動するのであれば‥‥ですよ。他の大勢の阿修羅僧もここまでこれるのですから☆」
 フォンはそう告げて、ゆっくりと立上がる。
 その後ろからは、レナードがほうほうの体であがってきた。
「こ、ここが‥‥大寺院前‥‥」
 そう告げて、そのまま意識を失うレナード。
「惜しいな‥‥あと一段か‥‥」
 その僧侶の言葉に、フォンはレナードの方を見る。
 たしかに、まだ昇りきってはいない。
「このままだと‥‥」
 フォンが手を差し伸べて、レナードを起そうとする。
「ならぬ。貴殿はこの試練を越えた者。そのものが試練を受けている者に手を貸すことはならぬ‥‥」
 そう僧侶が静かに告げる。
「‥‥判りました」
 そうフォンが告げたとき、レナードの上半身がゆっくりと『持ち上げられた』。
「僧侶さんの言うとおり。ここは、まだ試練を越えていない私が‥‥」
 気合でここまで昇ってきた美夕が、レナードを抱えてさらに昇る。
 そして全てを昇りきると、美夕もそのまま意識を失った。
「さて‥‥今日はここまでか‥‥貴殿はついて参れ」
 そう告げられて、フォンはそのまま大寺院の奥の間に案内された。
 そして、今まで放していた相手が『マカヴァーン大僧正』ということを知り、茫然自失に陥ってしまったとさ。

──そして7日後
 お経を唱えつつ、フェイとコルネリアは軽い足取りで階段の試練を突破。
「阿修羅の教え。それを理解し、自分が何をするべきか判れば、この階段の試練は試練ではないのですか」
 フェイが上で待っていたパラディンにそう問い掛ける。
「ええ。阿修羅と共に。それがなせるのでしたら、ここはただの通過点でしかありませんよ。そちらのお嬢さんもね」
 肩で息をしつつも、その言葉にニコリと微笑みながら肯くコルネリア。
 なにはともあれ、これで全員が第一次の試練を突破した。
「明日、大僧正との謁見が許されている。器用はゆっくりと身体を休めるがよい‥‥」
 そのまま入れ違いにやってきた阿修羅僧に連れられて、一行は身体を休める為の建物に移動したとさ。


●第二の試練・不死なる徘徊者
──バガン地下遺跡
 まずは試練を受ける為の申請を行なった一行。
 先日までの調査区画とは違う、さらなる深部へと案内された。
 そこに作られたベースキャンプには、『プルハ』と呼ばれている金剛杭による結界が施されている。
 よほど強力な『魔』でない限り、この結界を越える事は出来ないらしい。
「この結界を各地域に発動させれば、混沌の申し子やその眷族は地上に出てこれないのでは?」
 そう問い掛けたのは鷹見仁(ea0204)。
 この遺跡にやってくる途中、鷹見は様々な村を通り、多くの人たちとの交流をした。
 途中で宿泊した村では、鷹見は得意な絵を描き、人々に安らぎと夢を与えてきた。
(喜んでくれた子供達。あの笑顔を奪うような奴等は、決して許さない‥‥)
 そして、鷹見は教えられた。
 人に安らぎを与えること。
 それもまた、パラディンの仕事であると。
 だからこそ、この結界の強さを多くの場所に広げたいと思ったらしい。
「残念だが、それは出来ない。理由の一つは、プルハは貴重な魔法道具、数があまりない。そしてもう一つは、この結界を維持するのに、最低5名の阿修羅僧が必要だからだ。結界の為に、常時瞑想を続けるからな‥‥」
 そう告げるパラディン。
「まあ、あまりキツくはいうな。彼も、人々の為に進言したんだ」
 隻眼のパラディン、影衣十兵衛がそう告げる。
「影衣どのは、このベースキャンプの責任者なのですか?」
 マグナス・ダイモス(ec0128)が水を飲んでいる影衣に問い掛ける。
「ああ。正確には、俺はベースキャンプではなく、このバガンの守護者だからな。何かあったら報告してくれ‥‥」
 そう告げると、影衣は一人の阿修羅僧と共に洞窟の奥に向かって走り出した!!
「待ってくれ、俺は、あんたと一緒に行きたい、いや、も行かせてくれぇぇぇぇぇ」
 そう叫びつつ、上泉蓮華(ec0178)が影衣の後を追いかけていく!!
 活きのいい筋肉。
 その影衣と共に行くことは、蓮華にとっては本望であろう。
「あ、試練のチームは‥‥いってしまいましたか‥‥」
 バガンチームに同行している阿修羅僧の『ナディール』が、蓮華を止めようとして断念。
「いいのですか? 行かせてしまって‥‥」
 マグナスの問いに、ナディールが肯く。
「放っておけ。これもまた試練。同行する阿修羅僧も居る、まあどれだけ迷惑をかけないように出来るか判らないがな‥‥」
 アンドリー・フィルス(ec0129)がそう告げつつ、武具の手入れを始めた。
「アンドリーの言うとおりた。準備が出来たら始めるからな」
 アイザック・トライスター(ec0141)もそう告げて、武器と道具の確認を始める。
「保存食もOKと。魔法武器についても問題はなし。ナディールさん、今回は『あの申し子』との対戦は可能かしら?」
 エビータ・ララサバル(ec0202)がナディールに問い掛ける。
「ええっと‥‥多分‥‥ここは申し子の巣からも近いですから」
「巣?」
 ナディールにさらに問い掛ける鷹見。
「ええ。発生源といいますか、時折遺跡に現われる『黒曜の石碑』です。そこから現われる事がよくあるのですよ‥‥」
 その言葉に、一同は何かを考えた。
 そして、いよいよ出発となったのだが‥‥。


●第二の試練・輝ける獣たち
──ベナレス東方地下遺跡群
 広大な森林。
 遺跡へと続く回廊を越えた一行の目の前に広がっているのは、巨大な森であった。
 その手前に、パラディン達の作り上げた『砦』が存在する。
 そこがこのエリアのベースキャンプ、ここを基点とした調査が進められているようである。

「えーーっと、初めましてぇ。みなさんのお世話をする『高千穂』と申しまーす☆」
 ルンルン気分の美少女阿修羅僧が、一同にそう挨拶をする。
「初めまして。ヒースクリフ・ムーアだ。よろしく御願いします」
 そう手を伸ばしつつ挨拶をするヒースクリフ・ムーア(ea0286)。
「同じく、シアン・アズベルトです。よろしく御願いします、お嬢さん」
 丁寧にそう告げるシアン・アズベルト(ea3438)だが、その言葉に高千穂はコロコロと笑いつつ一言。
「えーー、わたし、男ですぅ。こんな外見ですけれど、阿修羅僧は女性はなれないんですよぉ‥‥」
 そう告げた瞬間、残りのメンバーは一瞬絶句。
「だ、男性ですか‥‥では改めて、レヴェリー・レイ・ルナクロスと申します」
 レヴェリー・レイ・ルナクロス(ec0126)もそう告げて高千穂と握手。
(‥‥綺麗な肌ね。よほど手入れが行き届いているのかしら‥‥)
 そう心の中で思ったレヴェリーでしたとさ。
「俺はシャロン・オブライエン。よろしく」
 そう告げて、シャロンはじっと高千穂を見る。
(この外見で男だと‥‥ふざけた‥‥い、いや‥‥だが、それならば、この私も男で‥‥大丈夫だな)
 ああ、そんな気がするよ。
「鳳美夕です。これから色々と教えてくださいね」
 その鳳美夕(ec0583)にもにこにこと挨拶をする高千穂。
「さて、それではこれからの行動を考えていきましょう。今までに調査の終っているエリアはこことここ、この奥の洞窟エリアまでです。ですが、これでもまだこのエリアでの調査は2%程度しか終っていません」
 地図を広げつつ、そう告げる高千穂。
「成る程。まだまだ調べる場所はあるということか」
「ええ。幸いな事に、このエリアは馬などの動物でも移動可能な場所が多く、移動にはそれほど困る事はないでしょう‥‥。ですが、油断は禁物です。このエリアで『琥珀獅子』に殺された阿修羅僧やパラディン、戦士はかなりの数になりますから‥‥」
 琥珀獅子。
 その名前が出たとき、一行はなにか恐怖を感じた。
「琥珀獅子って‥‥混沌の申し子?」
 恐る恐る美夕が問う。
「ええ。パラディン達は『アーマーレオン』と申しています。彼とその眷族達が出てきたら、逃げてください」
 その高千穂の説明に、ゴクリと息を呑む一行。
「そのアーマーレオンとかが出現するとき、予兆みたいなものはあるのか?」
 そのシアンの問いに、高千穂は頭をフルフルと縦に振る。
「残念ですが、それはないのです‥‥。ただ、琥珀色の輝きが見えたら、それがアーマーレオンだと思って下さって構いません」
 それ以上の話はなかった。
 そして一行は、まだ調査のおわっていないエリアに向けて、いよいよ出発した‥‥。


●第二の試練・竜と人の狭間人
──ベナレス南方地下
 一面廃墟の空間。
 地上より通り抜けた回廊。
 その先に広がっていたのは、果てしなく広がる廃墟である。
 崩れた鎚壁と、瓦礫と化した巨大な石塔、そしてそれらに混ざるように生えた巨木が、さらに不気味な雰囲気を醸し出している。
「ここがベースキャンプですか」
 荷物をゆっくりと降ろしつつ、アレーナ・オレアリス(eb3532)が周囲を見渡しつつ同行している阿修羅僧の『ナラミルヴァ』にそう問い掛ける。
「そう。ここ、ベースキャンプ。みんな、ここで準備、する」
 そう告げつつ、ナラミルヴァも荷物を降ろして、先に来ていた別のパラディンや阿修羅僧たちに挨拶を行なっていた。
「それにしても、殺風景だな」
「ええ。そうですね。まるで戦争でも在ったみたいです」
 ルミリア・ザナックス(ea5298)に続いて三笠明信(ea1628)がそう告げる。
「では、本日いまより、あたしは三笠明信を主人とし、使える事をここに誓うわ‥‥」
 侍としての契約を三笠と結んでいるのは昏倒勇花(ea9275)。
 もっとも、浪人である昏倒が侍となる為には、最低でも三笠の家に養子縁組みしないと、その力を得ることは出来ない‥‥。
 なお、この場合は三笠自身の立場も掛かってくる。
 三笠が自分の領地を任されているほどの身分であるならは、昏倒は養子縁組みによって侍となれるのだが、三笠はまだそれほどの立場ではない‥‥。
 それでも、一つ一つ手順をおっていく昏倒。
「そこの冒険者たち、実力はどれぐらいだ?」
 そう告げつつ、他のパーティーのパラディンや戦士、阿修羅僧たちが戦闘準備をしている。
「まあ、それなりには」
「実践での経験はそこそこに積んでいる」
「まあ、それなりに」
 とまあ、告げつつも周囲を警戒する一向だが。
「なら上等。特別任務だ」
 パラディンのリーダーがそう呟くと同時に、前方に出る。
「最初の試練とでも考えてくれっ!!」

──ビジィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ

 突然前方から飛んできた『高密度の熱線』を、パラディンが瞬時に発生させた『見えない壁』で相殺した!!
「敵は一体。タイプは『炎の龍人』。大きさは10mちょいだ。まだ楽勝だな‥‥」
 そう告げるパラディン。
 そして一行は、前方から飛来してくる異形の戦士に、戦慄を覚えた‥‥。
「こ、これが‥‥」
 意識を必死に保つ一行。
 だが、ルミリアも、三笠も、アレーナも、昏倒も、どうやら龍人の覇気に当てられたらしく、身体が動かない!!
「う‥‥そ‥‥こんなものをあいてに‥‥」
 自然と恐怖から涙があふれるルミリア。
 本国ノルマンで戦ったどんな敵よりも、その存在に恐怖している。
「これが敵ならば、怯むなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 そう叫びつつ、バーク・ダンロック(ea7871)が拳をガキーーーンと打ち鳴らし、敵に向かって飛込んでいく。
 その行動に、かなりのパラディンや戦士達が『無茶だ、戻れ』と叫ぶ中。
「いい覚悟だ!!」
 と敵正面のパラディンが呟く。
──ガギィィィィィィィッ
 激しい横薙ぎの一撃を、パラディンが手にした三鈷双剣で受止め、そのまま力を大地に流す。
──ドッシィィィィィィィィィィィィィィン
 激しい地鳴りが響くなか、そのままいっきに敵の懐に飛込むと、大地に向かって振りおろされている剣を握る拳に向かって、激しい一撃を叩き込むバーク。
──バシィィッ
 それはまるて鋼鉄の鎧。
 鋼のごとき鱗により、バークの一撃は吸収されてしまっていた。
「くそ。こんなに厚いのかっ!!」
 そう叫びつつ、バークは瞬時に間合を取る。
「こんなところでぇぇぇぇっ」
 覇気による呪縛から開放されたアレーナが、横で待機していた愛馬に飛び乗る。
 そして素早く上昇すると、手にした『ブレイブランス』を構えて急降下!!
 さらに地上では、三笠とルミリア、昏倒も武器を構え、バークに向かって突っ走る!!
「ああ、まったく、むちゃする奴等」
 ナラミルヴァは瞬時に詠唱を開始。
「今回のパラディン候補生は生きがいいな‥‥」
 そう告げると、龍人の一撃がバークに向かうのを横から受止め、再び大地に向かって流すパラディン。
「今のうちにオーラを!!」
 その言葉に、バークはナックルをポケットに入れ、オーラを練り上げていく。
「こんなところで、負けていられるかぁぁぁぁぁ」
「その通りですっ!! これも試練ならば、切り抜けて見せましょう!!」
「もう、やーねぇ‥‥」
 そう叫ぶと、ルミリアと三笠、昏倒の3名は、各々が武器を引抜き、気合で覇気から開放される。

「これでもっ!!」
──ドゴォォォォッ
 さらに上空より、アレーナが手にしたランスでのスマッシュ!!
 その一撃で体勢を崩しかけるが、龍人はいまだ立ち止まっていた。
「唸れ『コレブラン』っ!!」
──ザシュュュュッ
「頼みますよッ!! 新藤五国光っ」
──スパァァァァァッ
「あーーーっはっはっはっ。切り裂きなさいっサバイバー!!」
──スパッ

 次々と冒険者達の攻撃が直撃する。
 背後からは阿修羅僧たちのバックアップもあり、ついには龍人を撤退させることに成功した‥‥。

「折角つけた傷が‥‥再生していく‥‥」
 遠くに飛んでいく龍人の傷を見て、そう呟くアレーナ。
「ああ、あいつは不死身に近い。奴に致命傷をたたきこむには、そのへんのなまくらな魔法武具じゃあ駄目なんだ‥‥」
 そう告げつつ、パラディンも手にした三鈷杵を腰に戻した。

 なにはともあれ、これからの調査に頭がいたい感じのした一行であったとさ。


●第二の試練・古き古の人々
──アジャンター石窟地下
 無限に続くかとおもわれた回廊。
 壁の両側には、様々な神や獣の彫像が立ち並び、そこを訪れし者に畏怖の感情を与えていた。
 そして回廊を進むこと1日。
 突然空間がひろがり、巨大な部屋に到着する一行。
「ふぅ‥‥ここの遺跡は、ここにくるまでが大変なのですよ」
 パラディン候補生たちと一緒にやってきた阿修羅僧の『ハルミット』が、荷物を降ろしている仲間たちに告げる。
「ここに至るまでの像を見るに、ここは仏教に伝来している遺跡のようですね」
 マリウス・ゲイル(ea1553)が仲間たちにそう告げる。
「そうだな‥‥」
 静かに地図を広げ、細かいチェックをしているのはフィリックス・トゥルム(ec0139)。
 そうマリウスに告げた後、そそくさと他の場所でベースキャンプを作っている阿修羅僧の元に向かうと、今までの調査状況などの確認を行なっていた。
「‥‥いやな感覚ですね。なにかこう、階段の試練のような‥‥」
 フェイ・グリーンウェル(ec0238)がその部屋全体に流れる『何か』に気が付いたらしい。
「そうですか? 私にはなにも感じませんが‥‥」
 フェイの言葉に、コルネリア・ブルームハルト(ec0260)も周囲を見渡すが、とくに変わった様子は感じられない。
「ここはインドゥーラでも異質な遺跡の一つです。仏教の神々とインドゥーラの神々が奉られている遺跡であり、その地下には古き神も奉られているとか。そして、この下、幾つも連なる回廊の先には、今もなお、古き異形の神々を奉っている人々が住んでいるとも伝えられています」
 ハルミットの言葉に、一同はまず荷物をチェック。
 足りないものがあるかどうか確認した後、この部屋にあるベースキャンプ全体を取り仕切っているパラディンの元を訪れた。
 一人の初老のパラディン。
 名を『アールジット』といい、元八部衆の夜叉位にいた人物である。
「これはパラディン候補生のみなさん、御苦労さま。皆さんが進む回廊はこの先にある、今だだれも調査をしていない回廊ぢゃよ」
 そう告げると、アールジットは一同を回廊の入り口に案内する。
「どうしてここはまだ調査していないのですか?」
 そのマリウスの問いに、アールジットは静かに一言。
「調査するにも人手が足りぬのぢゃよ。特にこの先の回廊には、『古き古(いにしえ)の民』が住まう。混沌神を神と崇める狂信者達。くれぐれも己の力を過信せぬようにのう‥‥」
 アールジットはそう告げると、自分達のチームのメンバーに指示を飛ばす。
 そして一行もまた、自分達の準備が終ると、さっそく回廊を奥に進みはじめた‥‥。


 無事に冒険者達は遺跡に向かいました。
 これもまた試練。
 そこに待っている様々な運命と戦い、そして打ち勝つことはできるのでしょうか‥‥。

 全ては阿修羅神のみぞ知る‥‥。


 なお、次回遠征に選べる場所も以下の通り。
 一つの場所にいくつものチームが向かっても構わない。
(全てモヘンジョ・ダロ遺跡です)

・バガン地下遺跡
・ベナレス東方地下
・ベナレス南方地下
・ベナレス中央地下
・ベナレス北方地下
・アジャンター石窟地下

──To be continue......

今回のクロストーク

No.1:(2007-03-06まで)
 『ベナレス東方地下』
 調査中に発見した直径10m、深さ不明の竪穴に『贄らしき少女』が引きずり込まれた。
 どう動く?

 洞窟の竪穴に引きずり込まれた少女。年齢は6歳。穴の直径は10m、深さ不明。


No.2:(2007-03-06まで)
 『ベナレス南方地下』
人としている事を棄てた古き民。自害することが許されない為、貴殿達によって命を奪って欲しいと懇願した。
どうする?

No.3:(2007-03-06まで)
 『バガン地下』
『勇気あるものよ。ここから先は、全ての武器、防具を捨てよ』と書かれた石碑がある。
従うか? 無視するか?