幻の流派を追え!!

■クエストシナリオ


担当:久条巧

対応レベル:

難易度:

成功報酬:-

参加人数:16人

サポート参加人数:-人

冒険期間:2007年04月01日
 〜2007年04月31日


エリア:華仙教大国

リプレイ公開日:04月21日01:58

●リプレイ本文

●蒼狼との戦い
──北方、万里の城塞
 ワーーーーーーワーーーーーーーーワーーーーーーーーー
 万里の城塞外から聞こえてくる雄叫び。
 モンゴルの騎馬兵およそ500。
 それに対して、わずか5名での戦いを強いられた紅小鈴(ec0190)。
 作戦は、早朝に手人に突撃し、まずは混乱状態を作る。
 その後、城塞上に配置した衛兵らによって、弓により襲撃を開始、そのまま敵を追い返そうというものであった。

 すでに孫飛燕ら5名は敵陣に突入、内部を混乱に陥れていた。
 そして外部で動いている者を、紅小鈴(ec0190)が次々と撃破。
 相手は騎馬兵であったが、ストライクと爆虎掌をうまく組み合わせて、中央で戦っている孫飛燕の手助けをしていた。
「次っ!!」
 手近に駆けてくる敵に向かい、小鈴が叫ぶ。
『上等だ・・・・』
 スルリと剣を引抜き、小鈴に向かって駆けていくモンゴルの騎馬兵。
──シュンッ!!
 鋭い一撃は小鈴の頬を切り裂く。
 大量後が吹き出すが、小鈴は慌てることなく、ゆっくりと相手の動きを見る。
(騎馬の弱点・・・・それは)
 次の一撃を全力で躱わすと、小鈴は騎馬の左側に回りこむ!!
『そんなゆっくりと・・・・っ!!』
 右手で構えた剣で左の敵に対して攻撃するとき、自分の載っている馬の首が邪魔で思うように剣を扱えない。
 そこを見た小鈴は騎馬兵に向かって拳を突き出す!!
「紅式爆虎掌っ!!」
──ドゴォッ!!
 鎧を貫く衝撃で、小鈴は騎馬兵を馬から叩き落とす。
『ぐはぁっ・・・・』
 そしてそこにすかさず!!
「紅式重撃拳っ!!」
 強力なストライクを、顔面に向かって叩き落とす!!
 その一撃で、敵は行動不能。
「次っ!!」
 そう叫ぶと、小鈴は次の騎馬兵に向かって走り出した!!



●拳で語れ、己が信念!!
──燕京・朱鈴殿書庫
「・・・・」
 大量の木簡・竹簡を前に、月詠葵(ea0020)と蘭寛那(ec0186)、劉玲玲(ec0219)は茫然としていた。
 先月、完顔阿骨打より書庫閲覧の許可を貰っていたので、今月からはいよいよ英霊布を求める旅にでようと考えていたのである。
 とりあえず当面の目標としては、英霊の足跡を辿れという事。
 闇雲に戦場跡を探していても埒があかない。
 そう考えて、書庫の管理官達に頼み込み、英霊達の資料を出してもらったまではよかったが・・・・。
 大量の木簡、専門擁護で書込まれた専門竹簡。
 民間伝承を綴ったものから、はてはそれらしい石碑の写本にいたるまで。
 それらを目の前にして、意識がうすれていく月詠。
「ああ・・・・こんなに大量の資料が・・・・はふぅ☆」
 あ、月詠の意識が途切れた。
「・・・・やっぱり、魏の進軍した道筋を辿って・・・・赤壁が、一番の有力候補地ですね」
 寛那が玲玲にそう告げる。
「ふぅん。そこがやっぱり・・・・ねぇ・・・・」
 そう告げつつも、玲玲は孫一族について調べていた。
(孫尚香の没地・・・・長江・・・・うーーん。関連する土地が、今は名前が変わっていて・・・・うーーーん・・・・)
 あ、頭痛い。
 なにはともあれ、意識を取り戻した月詠らと共に赤壁関係の調査を一週間で終らせた3名。
 いよいよ明日は赤壁へ向かって出発となったのだが・・・・。


──その頃の執務室
「ここに、顔顎骨とかいう御人がいるって聞いたが、通してもらえるかい?」
 そう入り口で御衛士に告げると、リクルド・イゼクソン(ea7818)は相手の反応を待った。
「貴殿も冒険者か? 何か御許を証明する物はあるか?」
 そう告げる御衛士に、リクルドは一枚の記念コインを見せた。
「あ、完顔阿骨打様から話を伺っています。こちらへ・・・・」
 そう告げられ、リクルドは応接間へと案内された。

──そして
「神なのか?」
「ああ。玄武は四象の一つ、北方七宿を差す。四象すなわち東方青龍・北方玄武・西方白虎・南方朱雀の四神。玄武は玄天上帝ともいい、北方の守護を務める・・・・」
 そのまま延々と、玄武に付いての説明を受けるリクルド。
 やがて話は、白家についてへと移行する。
「風の噂に聞いたのだが。白家が武道家をさらっているという話を聞いたが」
「ふむ。一体なんのために?」
「いや、そこまでは・・・・ただ、噂でな」
「この燕京にも、白家の道場は10以上存在するからな。何処かで不穏な動きをしているのかもしれないか。少し調べてみよう」
 そう告げて、完顔は席を後にする。

──そして白家道場
 多くの門下生達が、汗を流しつつ己の鍛練を行なっている。
「一つ!! 常に精進し、ひび努力を惰る事なかれ!!」
 腰を低く、歩幅は肩幅。
 両腕を前に伸ばし、そこに重りをぶら下げたまま、門下生達は白家の教えを唱えている。
「一つ、強者は常に弱者をょ守り慈しむ。己が力でそれを汚してはならない!!」
 そんな叫びを横に聞きつつ、リクルドは道場師範と謁見。
「・・・・うちのお世話になっている道場とは違うな。活気がある」
「お誉め頂いて光栄です。で、貴方はどちらの道場で?」
 見学という名目でやってきたリクルドに、道場師範が問い掛ける。
「玄武拳といえば、判りますか?」
「ええ。元々は八跋衝大地の門・玄武八跋衝の正式継承者である『?天門』が開いた道場。今の道場主『?武王』が行方不明とか・・・・そうですか、あそこの方ですか」
 その言葉を聞きつつ、リクルドは静かに肯く。
「八跋衝か・・・・でも、それらしい方は教えてもらっていないな・・・・」
「ええ。八跋衝として受け継ぐ事が許されているのは、『?天門』の血を受け継ぐ者のみです。あそこの家系は、代々そこから分派されている玄武拳を教えて生計を立て、己が血筋にのみ玄武八跋衝を継承しているとか・・・・」
 そう付け加えると、道場師範が門下生達に休憩を言い渡す。
「南宋にある白家は、ここの道場と繋がりがあるのか?」
「白式一百八零羅漢拳を教える道場。ここの兄弟弟子にあたりますが、ここしばらくは連絡も来ていませんねぇ。便りのないのは無事な証拠、もしなにかあったらこちらとしても動く事となりますけれどねぇ・・・・」
 しばしの休息の後、午後の訓練にはいる。
 リクルドは挨拶を行うと、そのまま玄武剣道場へと向かった。



●修行の果てに
──とある山奥
 パシッパシッ!!
 次々と繰り出される陸潤信(ea1170)の拳。
 それを、大熊猫の美鈴は、右手の肉球でパシパシと受止める。
『プーーフッ(ささ、掛かっていらっしゃーい♪〜)』
 そう呟くと同時に、美鈴は素早く間合を詰め、肩口から潤信に向かって体当たり!!
──ダン!!
『大熊猫拳奥義・鉄山靠(てつざんこう)』
 と叫んだのかどうかは定かではないが、その一撃で後方にぶっとぶ潤信。
「ぐはぁっ・・・・」
 口から血を吐きつつ、ゆっくりと立上がる$M。
「強いんだ・・・・」
 ぐっと口許の血を拭い、ゆっくりと構えを取る。
──ダン!!
 何も考えず、ただ本能で戦いを挑む潤信。
 あれこれ考える必要はない。
 眼の前に強敵がいる。
 今はただ、目の前の敵を倒すのみ。
──シュシュシュシュッ
 高速散打で美鈴を牽制し、さらに踏込んでの震脚!!
「覇っ!!」
 そのまま静かに拳を出し、爆虎掌を叩き込む!!
──ドン!!
 その刹那、後方に飛ぶ美鈴。
 爆虎掌の欠点である『間合』をうまく外したらしい。
 が、お腹を摩っている所を見ると、ちょっと命中?
「グモーグモー(痛いじゃないのさ!!)」
 そう叫びつつ、ゆっくりと両腕を高く上げて構えを取る美鈴。
「只の獣じゃないですよね・・・・では、参ります!!」
 低い体勢を取りつつ、潤信はゆっくりと間合を詰めはじめた。
 そして!!

──チャキーーーーーン!!

 美鈴と潤信、同時に空中連撃が炸裂。
 そして・・・・
「ぐはぁっ・・・・」
 口から血を吹き出し、潤信がその場に崩れた。
「グモモンモンモン(あんた、いい腕だよ・・・・)」
 ヒョイと意識を失った潤信を抱えつつ、大熊猫の美鈴は道士の待つ小屋へと向かった。


●目指すは伝説
──青龍拳道場→燕京・朱鈴殿
「ほう。あの青龍拳道士から、直々に技を学んだのか」
 朱鈴殿の執務室で、完顔阿骨打は目の前に座っている荒巻美影(ea1747)と夜桜翠漣(ea1749)に向かってそう呟く。
 二人は南宋に向かう前に、完顔師父に今までのことを報告にやってきていたようである。
「はい。一通りの修行方法ですが・・・・」
「それはよい。修行方法は流派によっては秘伝、そこまで報告する必要はありません」
 夜桜の言葉を、完顔師父が止める。
「では、修行の成果を見て頂きたく思います」
「そうですね。では、道場へ・・・・」
 美影の言葉で、とりあえず一行は朱鈴殿横の道場へと移動した。

──そして道場
「はいっ!!」
──パンパパパパパパパンっ!!
 風を撃ち、気を叩き斬る声が道場に響く。
 静かに抱拳礼を行った美影と夜桜は、まずは軽く組み手を行った。
 そののち、一度離れてから、今度は本気での打ち合いが始まる。
 その場で見学していた一行は、その鋭い脚裁きと腕の使い方に感心し、ずっとその動きを見ていた。
「ほう。いい動きだな・・・・八跋衝・青龍の型か・・・・では、わしも相手をしてもらおうかな?」
 そう告げて、スッと一歩前に出たのは、海陵王・憐泰隆その人であった。
──バッ!!
 素早く抱拳礼を構え、頭を下げる二人。
「国王殿にはもったいないお言葉。喜んでお相手いたします!!」
 夜桜がそう告げると、美影が後ろに下がる。
「では、いくぞ・・・・」
 大きく足を拓き、横半身の体勢。
 拳を軽く握り、上下に構える『みたことのない構え』。
「海陵王様・・・・その構えは?」
「こう見えても、この国の武術はかなり研究していてね・・・・これは『最強流』の構えだ・・・・掛かってきなさい」
 その言葉と同時に、夜桜は瞳を一度閉じ、そして見開いた瞬間に間合を詰めた!!
(青龍八跋衝歩法の24、拳の13!!)
 素早く直線で間合を詰めつつ、拳は円を描くようにしなやかに。
 素早い連撃を叩き込む夜桜だが、海陵王はそれらを全て叩き落とす。
「ふむ。直線と円。理想の流派だが・・・・まだ
制空圏を見切れてはいないか・・・・」
 そのまま隙を見て夜桜に掌底を叩き込む海陵王。
──ドン!!
 その一撃で、夜桜は後方に飛ぶ。
「次は私が!!」
 今度は美影が抱拳礼を取ると、素早く構えをとる。
「青龍八跋衝歩法24、拳の16!!」
 素早い歩法は夜桜と同じ。
 だが、今度は拳も直線、そして躱わされると素早く肘法を叩き込む。
 肘撃ちの乱舞。
 だが、それらも海陵王は掌底で受止め、あっさりと流す。
「君は速度が遅い。肘は速度をのせるまでの時間がかかる。使い方は相手の隙を伺わないと、もしくは奇襲!!」
 その瞬間、海陵王が震脚!! 拳を美影に向かって伸ばす!!
──パラッ・・・・
 美影の前髪がはらりと落ちる。
 海陵王の拳圧によるものであろう。
「いい訓練になった。引き続き調査を報告を待つ!!」
 そう告げて、海陵王は下がっていく。
「ハアハアハアハア・・・・いい訓練って・・・・」
「ハァハァ・・・・フゥ。汗一つかいていないじゃない・・・・」
 それが、この国の元首・海陵王。
 

──一方、南宋へと向かう陸路・少林寺
「ほう。久しいな。元気にしておったか」
 そこはとある少林寺。
 葉雲忠(ec0182)の師父である『許克廉』が納めている寺である。
 幼い時代、雲忠はここで過ごしていた。
 南宋に向かう途中、偶然にも道が同じであった為、うんちゅうは久しぶりに訪ねていたのである。
「ええ。許師父もお元気そうぢゃ。なにより」
「ほっほっほっ。じゃが、もう年ぢゃて・・・・て、今日はどうした? 何を悩んでおる?」
 そう告げつつ、茶をすする師父。
「色々とあって、玄武八跋衝と朱雀八跋衝についての伝承を求めている。我が少林寺は古くからこの地に存在する。故、何か伝承をしっているのではと・・・・」
 その雲忠の言葉に、しばし沈黙。
「会得するのか?」
 突然の言葉に、雲忠は静かに肯く。
「我が少林寺拳法は、様々な武術を知り、それらを鍛練し、組み合わせ、そして源流たる流派をさらに強くする事で磨き上げてきた。その中に、八跋衝の動きを取り入れたいのぢゃ」
 そう告げると、師父はしばし考え込む。
 そしてスッと立上がると、静かに構えを取る。
──スッ・・・・ヒュゥッ・・・・
 流れるような動き。
 静かな歩法。
 それは少林寺のものではない。
 そして雲忠の知る『少林寺拳法』でもない・・・・。
 1刻ほどの演舞の後、師父は汗を吹きつつ静かに座る。
「師父、それは?」
「我が少林寺の絶招(奥義)の一つ。最高師範や僧正にのみ会得を許されたもの。そしてこの絶招は、八跋衝の流れから作られたもの」
 そう告げると、師父はスッと立ち上がり、外に出て行く。
「少林寺に八跋衝が!! それはどうして?」
「八跋衝は、ある意味この華仙教大国に古くから伝えられている。それらの技を分解し、さらに磨き揚げ、様々な技を作り出して今の拳法が創られたとも伝えられている。ワシのさっきの形は少林寺の一つ、『鳳凰』の型。元は朱雀八跋衝という流派から作り上げたと聞いておる」
 そのまま、外に出て空を見上げる。
「師父、わしにもその技を伝授して欲しい!!」
「ならぬ。雲忠、少林寺の絶招を学ぶには、お前はまだ若く、そして早い・・・・いずれ刻がきたら学ぶ事もあるだろう・・・・」
 そして地面に落ちている木の葉を拾い上げる。
「お前の好きに進みなさい。南宋には、私の兄弟子である『于文忠師父』の少林寺道場がある。そこに世話になるといいだろう・・・・」
 そう告げると、師父はそのまま空を眺めていた。


──南宋へと向かう・その2
 鳳蓮華(ec0154)は静かにその光景を眺めていた。
 南宋に向かう前に、蓮華は自分の師範である『李海詠(りかいえい)』の元に戻り、青龍八跋衝道場での修練を終えた事を報告、そこからさらに『最強流道場』の弾師範の元にやってきていたのだが・・・・。
 運がいい事に、道場破りが最強流道場にやってきていた。
「こんな片田舎の寂れた道場が、最強を名乗るとは片腹いたいわ。この道場は我が『北宋羅漢拳』が戴く!!」
 そんなことをつべこべ言いつつ、道場に飛込んできた男達。
「ふぅ・・・・では、そちらでお待ちください。あ、鳳さんはこっちへ。今、お茶を持ってきますから」
 とまあ、のんびりとした修行道士にあんないされて、特等席へご案内。
 やがて、道場の奥から、真紅の覆面を付けた男が姿を表わし、その後ろに最強流師範の『弾凱王(だん・がいおう)』が立っている。
「誰かと思ったら・・・・またお前か」
 やれやれという表情でそう呟く弾師範。
「俺と勝負しろ!! 勝ったらこの道場を戴く!!」
 そんな叫びが響きわたるが。
「さて。蓮華君、青龍は会得したか?」
「はい。そのお礼を告げにやってきました」
 そう返事をしたとき、弾は懐から赤い布を取りだし、蓮華の腕に巻き付ける。
「よかろう、羅漢拳師範よ。この少女と戦い、勝ったならば、この道場は渡そう!!」

──ええええええ?

「と、どういうことなの?」
「どうもこうも。がんばってね。必要ならば、英霊が力を貸してくれるから・・・・」
 その言葉の後、やれやれという感じで道場に下りる蓮華。
「こんな小娘がお前の代理という事か。いいだろう!!」
 素早く抱拳礼を取ると、男はゆっくりと腕を回し、構えを取る。
「派っ!!」
 そして素早く掌底。
(青龍歩法の1応用5・・・・だった・・・・あふぅ!!)
 まだ実践での青龍八跋衝に慣れていない蓮華。
 躱わす術を知っていても、身体がまだついて行かない。
 実践を積む事が、まだ必要である。
──ドガッ!!
 そのまま壁まで吹き飛ばされると、口から流れた血を拭う。
「ふう。頭がぐをんぐをんするう・・・・」
 すかさず変ええを取ったが、刹那、踏込んできた男に襟を取られ、そのまま力任せに大地に叩きつけられた!!
──ゴキッ
 骨が軋む音が聞こえる。
「あう・・・・身体がうまくなじまない・・・・もっと力があれば・・・・」

『天啓を持って告げる。誰の力を望む!!』

 脳裏を駆け抜ける言葉。
「天啓・・・・誰の力・・・・」
 ふらふらと立ち上がりつつ、そう告げる蓮華。
 そして
「私が望むのは、夏侯淵妙才っ!!」

──どっごぉぉぉぉっ

 男の渾身の一撃。
 それを軽くいなすと、蓮華はぐるりと回りつつ男の後方に立った。
「か、軽い・・・・それに」
──シュシュッ
 拳の一つ一つが軽く感じる。
「いきなり早くなりやがって・・・・オーラでもつかったのかぁぁぁぁ」
 さらに構えを取る男。
 だが、蓮華は静かに脚幅を広げ、腰をゆっくりと下げる。
「青龍八跋衝・掌打の5応用2・・・・で、蓮華の1・・・・」
 素早く間合を詰めると、左手で男の喉笛を掴む。
 そして弓を引いたように引き伸ばした右手を男の顔面に叩き込む!!
──ドッゴォォォォォォッ
 拳は男の顔面を外れ、背後の壁を吹き飛ばした。
「はい、それまで・・・・勝者、蓮華ちゃん!!
 弾師範がそう告げつつ、蓮華の腕の布をはらりと取る。
「弓の使い手、夏侯淵妙才ですか。まあ、負荷の少ない所ですね。と、ではそういうことで」
「チッ・・・・覚えていろ!!」
 そう吐き捨てて、男は退場。
「弾師範。その布・・・・」
「只の宝貝だ」
 そう告げて懐に入れる弾。
「英霊布ですね? そうですね?」
「ただの宝貝だと言った筈だが?」
「さっき私の身体に下りてきたのは、英霊夏侯淵妙才。その力なんですね!!」
「しつこい奴だ。ああ、そうだ。これは英霊布だ・・・・現存する数少ない『英霊召喚』の宝貝。そっちの彼『最強12号』の顔を包んでいる布も、英霊布のようなものだ」
 その言葉に、蓮華は男を見る。
「英霊布ではない?」
「ああ。これは英霊布のような英霊を降ろすものではない。ちょっとだけ、英霊の力を借りるだけのものだ」
 そう告げて、覆面の男は道場の修理を始める。
「そうですか・・・・なにはともあれ、色々とありがとうございました」
「しかし、鍛え方がまだまだ足りない。もっと功夫を詰め。朝から夜まで鍛えろ」
 にぃつと笑いつつ、そう告げる。弾師範。
「それでは・・・・」
 蓮華の旅は、これから始まる。


●南宋よいとこ1度はフベシッ!!
──とある温泉町
 一人の男が、顔面に拳を叩きつけられて失神。
 あ、その叫びのね? フベシッ!! って。
「全く。人の裸をただで見ようなんて、いい根性しているよ。まったく・・・・」
 露天風呂に浸かりつつ、御堂鼎(ea2454)がそう呟く。
 木の盆に乗せた酒とつまみ。
 それをちびりちびりと愉しみつつ、のんびりと夜空を眺めている。
「しっかし、どこにあるんだろうねぇ・・・・伝説の修行場・・・・」
 そんなことを呟いていると、一人の女性が近くて゛声をかけてきた。
「伝説の修行場ですか?」
 ゆっくりと告げつつ、その女性は御堂に話し掛けた。
「ああ、この華仙教大国にあるっていう噂だけど。その温泉に浸かると、そこで溺れた人の呪いで同じ姿や体質になっちまうらしいねぇ」
 そう告げながら、ぐいっと一杯。
「ふふ。そんなところがあったらすごいですね。でも、この土地は昔からかなり多くの温泉があるそうですから・・・・ここもそうだったりして・・・・では」
 そう告げて、女性は温泉から出て、身体に水を浴びた。

──ニュィィィィィィィィィィィィッ
 
 と、突然女性の身体が変化し、みるみるうちに大熊猫になっていった・・・・
 そして、ゆっくりと立上がると、御堂に向かってペコリと頭を下げて、その場を立ちさって行った。
「あ・・・・ははは・・・・嘘だろう?」
 引き攣った笑いをしつつ、御堂は夜空を見上げる。
 どうも、今宵は飲みすぎたかもしれない。
 そのまま御堂も、露店から上がっていった。


──そんなこんなで平和でない南宋
「ここが、首都?」
 南宋のとある酒家(酒場)。
 様々な想いをし、そして動きはじめた石動悠一郎(ea8417)が、まずは情報を得る為に南宋の首都に向かおうと考えたのだが。
「ええ。この街の名前は南宋。街の南に向かえば、街も役場もありますよ・・・・」
 その言葉に、石動はしばし思考。
 この地にやってきて、最初に降り立った農村風景。
 ここがまさか南宋首都とは、今まで思っていなかったらしい。
 そして急ぎ役場に向かったのだが、土地のものでなく、さらに異国の人間である石動に役場が資料を見せてくれることは無く、あっさりと断わられてしまった。
「・・・・参った・・・・情報がない・・・・」
 途方にくれつつ、町の中を歩いている石動。
 と、ふと懐の勾玉が少し輝いているのに気が付いた。
「この反応は・・・・」
 勾玉を手に、周囲をぐるりと見渡す石動。
 すると、ある方向を向いたとき、勾玉が点滅した。
「こっちか・・・・行くぞ馬次郎」
 そう告げて、愛馬馬次郎に跨がり、そのまま点滅が強くなる方向へと歩いていった・・・・。

──そして深夜
 街からは完全に外。
 しかも深い森の奥。
 勾玉の導きによって、石動は人里からかなり離れた場所にやってきた。
 そこはどうやら今は使われていない廃寺。
 その中からほのかに灯が灯っているのを、石動は見逃さなかった。
「すまない。何方かいらっしゃるか!!」
 そう戸口で告げると、やがて扉が静かに開く。
「こんな場所にこんな時間・・・・。道にでも迷いましたか?」
 そう告げたのは、一人の女性。
「話せば長くなります。とりあえず、今宵の宿をお借りしたい・・・・」
 そう告げる石動を、女性は快く迎え入れた。

──そして翌日
 石動は子供達の越えで目が覚めた。
 小さな部屋。
 扉は開け放たれ、外では大勢の子供達が愉しそうに遊んでいる。
「目が覚めましたか。ちりあえず食事でもどうぞ、こちらへ・・・・」
 初老の男性が、石動にそう告げる。
「お世話になる・・・・」
 頭を下げて、食事を戴く石動。
 そしてその席で、石動は色々な事を聞いた。

 今いるこの場所は、古くは戦場であったこと。
 そこに建てられた寺は、この地で死んだ多くの英霊達を慰める者であったが、南宋動乱の時代に、南方の蛮族によって破壊されたらしい。
 彼はここを訪れた時に偶然この地を見付け、住み込んだらしい。
 そして、ここに人が住んでいる事を知った心無い大人達は、寺の前に子供達を捨てていったという・・・・。

「貴方はどうしてこの地に?」
 男性がそう問い掛けると、石動は静かに告げた。
「勾玉の導き。拙者は袁紹の住まう城を探している・・・・」
 その言葉に、男性は静かに肯いた。
「この地に貴方がやってきたのは、運命でしょう・・・・」
 そう告げると、男は懐から小さな『何か』を取り出した。
「私の名前は袁竜(えんりゅう)。今は跡絶えたといわれていますが袁の血筋を持つものです・・・・」
 その言葉と同時に、石動の中になにか力が沸き上がる。
「今、この華仙教大国は乱世へと向かっています。それを納める為に、私はこの地を平定する・・・・力を貸してくれますか?」


──その頃の、別の森
 そこは小さな小屋。
 周囲を深い森に包まれ、近くには小川が流れている。
 街からそれほどはなれていない場所、そこに天狼王(ec0127)はやってきていた。
「頼もう! 俺は天狼王、天奉道士の紹介で来た。『鳳雛』を降ろしたってのはあんたで間違いないか?」
 そう小屋の前で叫ぶ狼王。
「ほほう。そのとおりぢゃが、客人とは珍しいのう」
 狼王の背後から聞こえてきた声。
 振り返ると、そこには小柄な老人が釣り竿を持って立っていた。
 慌てて抱拳礼を取り、頭を下げる狼王。
「先ほどは失礼を。改めて、この場を訪れた理由について聞いて頂けるだろうか。そして出来ればご助力願いたい」
 丁寧にそう告げると、老人は狼王を小屋に居れた。
 小さなたたずまい。
 寝床と机が一つ、あとは釜戸のみ。
 机の前に座ると、老人は茶を入れて狼王に差し出す。
 そして狼王は話を始めた。
 今の白家の有様、彼らに牛耳られた南宋首都の現状。
 立上がることなく、ただ脅えている街の人々。
 ほんの一握り、狼王の言葉に耳を貸してくれた人はいるが、それではこの現状を打破することはできない。
「現状を打破するには、南宋に住む民が立ち上がる気概を持つかどうかで全く状況が違うだろう。だが、戦う術を持たない者をただ焚き付けても下手すれば怪我人や死人が出るだけだ。ならばと各道場に協力を求めたんだが・・・・」
「1度尋ねても無駄。脅えた者の心は動かぬ。2度訪ねると、人はお主に興味を持ち、考える力を取り戻す。そして3度目の答えこそ、本当の答え・・・・今頃、皆はお主の言葉に悩まされているころじゃろうな」
 そう告げると、窓の外をじっと見る。
「かの有名な諸葛亮孔明。彼の者も、三顧の礼によって力を貸したという。ならば、お主もまた、人を訪ねては? 勇気ある決断を強いるのなら、お主がまずは剣となって、礼節を態度で示せばよかろう。動かぬ力には民衆は答えぬ」
 その言葉だけで十分。
 狼王は頭を下げると、とにかく走った。
 もう一度、全ての道場を回って、話をしてくる。
 その為に、狼王は走った。



●冥土の旅路に誘う者へ
──昇竜
 バタバタバタバタバタバタバタバタ

 全力で廊下の雑巾がけ。
 全ての部屋の扉と壁の修復
 散らかっている室内の正装
 錆付いた器械の手入れ
 炊事洗濯

 次から次へと仕事が増える。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーっ。黄師父、少しは手伝ってください!!」
 ついに切れた朱蘭華(ea8806)。
「ん? なにをいう。わしは仕事をしておるぞ」
 そう呟きつつ、黄師父はのんびりと外で酒を呑む。

「空に雲。
 地には花
 霞たなびく仙人峡
 麗しいものたちの都桃源郷
 小鳥が泣き、少女が歌う・・・・
 これぞ、雅なるかな・・・・」

──グビグビッ
 のんびりと酒を飲んでいる黄師父の背後に向かい、すかさず蘭華は一撃!!
「この穀潰し師父っ。爆虎掌!!」
──シーーーン
 だが、気は黄師父の身体を貫かない。
「ふぉっふぉっ。気の練り上げが足りぬ。『消気』されると、なにもできまいて」
 そのまま手にした箸で蘭華の鼻をつまむ。
──バシッ
「ふが・・・・このっ!!」
 すかさず橋を弾くと、掌底を叩き込む蘭華だが。
──プスッ
 その掌底に向かって、黄師父は箸を立てた。
「いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ。このっ」
 さらにそこから蹴り、回し蹴り、そして2連旋風脚へと繋げる蘭華。
「ほほう。以前よりも機敏なうごきぢゃが・・・・ほれ」
 軽く爪先を箸で掴むと、そのまま黄師父は後ろに向かって走った!!
──ケンケンケンケン
「あ、ああ・・・・転ぶ、転ぶぅぅぅぅぅ」
 なんとか片足で弾むようについて行く蘭華。
「腰を鍛えぬと。気のめぐりも悪い。つまり」
 そう告げて、黄師父は箸で爪先を持ち上げ、道場に放り込んだ!!
──クルッ
 と、うまく受け身をとって着地する蘭華。
「基礎の型200。その後で飯の準備ぢゃ・・・・ほっほっほっ」
 そう告げて、立ち去る黄師父。
「くっ・・・・あの化け物師父・・・・いつかかならず・・・・」
 そう告げてから、蘭華はしばし修練に入った。



●北の大地
──南宋→黄海→燕京
(北方に孫策伯符、西方に董卓仲潁、そして南方にあいつ。全てが戦力を集め、中央、華仙教大国元首海陵王を落とそうと動いている・・・・か)
 海を眺めつつ、琴宮茜(ea2722)は心の中でそう呟く。
 南宋、曹飛延の元を立ち去ってから、琴宮は一路北へと向かった。
 目的は、以前噂に聞いた『赤兎馬』を得る為。
 久しぶりに船に乗り、ゆっくりと旅をする。
「・・・・こんなにおだやかな時間は久しぶり・・・・」
 ここにはお尻魔人・曹飛延はいない。
 心を穏やかな旅が出来ると思っていたのだが・・・・
──グラッ!!
 突然船が加速する。
「ど、どうしたのですか!!」
 にわかに甲板上が慌ただしくなる。
「ご乗船の皆さんはすぐに部屋に戻りください!! この船は『海賊』に襲撃を受けています!!」
 その言葉で、琴宮は後ろ看板に走る。
 そしてそこから海を見たとき、後方からものすごい速さで進んでくる4隻の船を発見した。
「船長さん、この船には戦える人はいるのですか?」
「護衛士が5名だけです。このあたりは海賊が出ないという話だったのですが・・・・」
 琴宮の知る限り、乗客には戦えそうな人はだれもいない。
「最悪の場合、助太刀します・・・・」
 そう告げて、琴宮も覚悟を決めた。


●小擂台賽
──とある屋敷
 其の日。
 虚空牙(ec0261)と厳子麗(ec0245)の二人は、彰蔽平に案内されて小さな屋敷に向かった。
「・・・・確か、今日は『なんでもあり』の暝武会だったわね」
 空牙の付き人として、子麗が彰蔽平に問い掛けた。
「ええ。今月最後の戦いです。10日の戦いは残念でしたけれど、今日はなんとかいいところまではいけるのではないですか?」
 4月10日の暝武会。
 参加者総数が16名。
 勝者にもたらされたものは、『火尖鎗(かせんそう)』なる火を吹く槍。
 残念ながら、空牙は4位で止まり、それ以上上へはいけなかった。
「で、今日の参加者は?」
「24名。ルールはデッドorアライブ、相手を殺したら勝ちです」
 あっさりと告げる彰蔽平に、子麗が食って掛かる!!
「ちょっと待った。つまり、生き残った最後の一人が、宝貝を手に入れることができるって言うこと?」
「ええ。そのかわり・・・・勝者にもたらされるのは『英霊布』そのものです。裏で回ったものらしいですから、確かな情報です。では・・・・ご武運を祈ります」
 そう告げて、彰蔽平は退場。
「・・・・まだ始まっていないから、止めるなら今だが?」
 そう告げる子麗に、空牙は静かに一言。
「・・・・負けなければいいだけだ・・・・」
 そう告げて、暝武会の会場にはいっていった。
 

 少しずつ、運命の糸は紡がれていきます。
 華仙教大国を揺るがす一つの流れ。
 それに翻弄される者たち。
 運命という大きな流れ、
 貴方は逆らいますか?
 それとも、流され続けますか・・・・

(第4回に続く・・・・・・)

今回のクロストーク

No.1:(2007-04-04まで)
 英霊布を求める者たちに問う!!
その力、普段から開放するか?
それともここ一番で開放するか?

No.2:(2007-04-04まで)
 八跋衝を求める者たちに問う!!
汝の求める力は『外功拳』か?
それとも『内功拳』か?

No.3:(2007-04-04まで)
 朧拳を求めるものに問う!!
汝、己に降り注ぐ過酷なる運命を受け入れるか?
それとも運命と立ち向かうか?