BlowinonamicizieBlowinonCoraggio

■クエストシナリオ


担当:成瀬丈二

対応レベル:

難易度:

成功報酬:-

参加人数:17人

サポート参加人数:-人

冒険期間:2007年07月01日
 〜2007年07月31日


エリア:神聖ローマ帝国

リプレイ公開日:07月20日22:54

●リプレイ本文

●友ありや嬉からん、勇者たる者恐れありや?
 神聖暦1002年7月───ローマにて、皇帝と選帝候の間で最重要な会議がもたれた。
 議題はローマ文化復旧法という名前の異種族弾圧、異民族排斥、ビザンチンとの交易特権撤廃、貴族のジーザス黒崇拝を排除するなど今までのそれを更にパワフルに押し出したものであった。
 アウグスト家のみが強固に反対を唱えるが、他の選帝候家は賛同。皇帝もそれに倣うという形になり、即日発布された。
 そして、舞台は魔剣の眠りし地、トゥールズに移る。

●魔剣解放
 さて、トゥルーズでの探索における活動拠点に聖騎士狛の───と、ヤングヴラド・ツェペシュ(ea1274)が意気込んだが、ロー・エンジェルであるノエルにユーリア・レオ・フォルティ(ec1663)とフォス・バレンタイン(ec0159)が───。
「封印場所は?」
 と聞いた為、その探索過程はショートカットされた。
 その間にルイス・フルトン(ec0134)は大岩に穿たれた謎の文字に向かって魔力の続く限りニュートラルマジックをかけ続ける───反応は無かった。
 一方、彼と袂を分かった秦美鈴(ec0185)はビザンチン帝国を目指し、再び流浪の旅へと出ていた。
 ルイスは別れを惜しみながらも謎の文字をハンマーで砕き、魔術的封印が解けたか、様子を見る。
「これでどうだ」
 岩が動くなどの劇的な反応はなかった。
「さすがに無理か」
 岩戸を押すがびくともしない。
 おい。
 そこに気配もなく、かけられる声。
「───! カエリーか」
 カエリー・シグヌムがそこにいた。
「ヤングヴラドから伝言と物品を預かってきた。この仮面で顔を隠して、仮面の騎士となり、ジャンヌ達の力になって欲しいそうだ」
 と、マスカレードをルイスに渡す。
「近くまで来てるのか───日曜礼拝まで待ってはいられないな」
 人を集めるのに日曜礼拝を待つつもりであったが、あのフォス神父も同道しているだろうから、悠長な事は言っていられなくなった様だ。
 近くの村へと急ぐ。
「私はルイス・フルトン。見てのとおり旅の騎士です。聖女ジャンヌに捧げる三魔剣を探しております」
 周囲の農民の視線がルイスに集中する。
「私は伝説の魔剣が眠ってるかもしれない洞窟を探し当てました。だが入り口が大きな岩戸で塞がれていて中に入れない」
 金貨の入った皮袋を片手で持ち上げさらに声を張り上げる。
「ここに金貨が100枚ある。明日岩戸を退ける為、力を貸してほしい。魔剣があるかないかに関わらず協力してくれれば金貨を進呈しよう。よく考えて決めてほしい。協力してくれる方は明日夜明けとともに教会前に集まってくれ」
 ルイスは語るだけ語ると静かに宿に引き返す。周囲の農民達は浮ついたようだ。そこへ───。
「あれぇん? ひとり旅? ふられちゃったのぉん」
───と、エリー・エル(ea5970)が堂々と声をかける。
 一方、フォス神父が咳払いする音。
「おやおや、平和に生きる権利を失った方が宿を取られますか? 『旅の騎士殿』?」
 神前決闘で、違法な魔法を使った挙げ句敗北したのだから、フォスの意見には絶対の強みがある。
「あまり、四角四面な事言いたくないけど───」
 とジャンヌが‥‥。
「あの後、どうやらフォス神父は無実っぽい、単に口が悪くて、秘密主義なだけで、という事が判明して、私をレオンハルトが刺したのは、デビルの陰謀じゃないかって───事で落ち着いたのよね‥‥」
 ルイスはがっくりと膝を突いた。最初から正義は自分になかったのだ。陰謀を企んだデビルは許せないが、その企てに乗って仲間を二分してしまった自分の短絡思考はもっと許せなかった。
 グイード・ルークルス(ec0283)はそんなルイスに退出を促す。
「これ以上厄介事は背負い込みたくないだろう」
「ジャンヌ様、この資金、お役立て下さい」
 そう言ってルイスは金貨百枚の入った袋をジャンヌに渡した。
「その辺にしたら、どうです? 負け犬が───」
「フォス神父、お止め下さい。ジャンヌ様の品位に関わります」
 フォス神父の言葉をクローディア・ラシーロ(ec0502)が遮る。ジャンヌは今騎士としてどこに出しても恥ずかしくない、騎士道の王道の業───礼儀作法など個別に取っていっても、対処療法でしかなく、結果として見るならば効率が悪い───を治めている身にあまり耳障りでしかない、言葉は聞かせたくなかったのだ。
「何! 聖女さまの品位に関わるとは神父許すまじ。聖女さまに楯突く輩は砕いてこねて、くびり殺しあるのみ、我が筋肉ならそれも可能っぽい」
 バラン・カリグラ(ec0735)がクローディアとフォスの間に筋肉を誇示しながら、暑苦しい態度で押し出す。
「やれやれ、筋肉莫迦はこれだから困りますね───」
 とはフォス神父の言であった。
「サービスだ」
 との声と共にカエリーがヤングヴラドにルイスがやった事の子細を述べる。
「むう、怪しげな文字を削ったのであるか? これは吉と出るか、凶と出るか、判らないのであるな」

 そして、巨大な岩の前に立った一同。農民達が小銭目当てに集まっている。
「岩石粉砕!その名は石破仰天剣!!」
 と、バランが肉体を誇示する。
 ジャンヌが───。
「やあっておしまい」
───と命じれば、バランは───。
「アラホラサッサー+いくでまんねん」
と突き進む。
 バーストアタックと強打で岩を揺がし罅を入れる。
「コナン流の奥義に砕けぬものなし!」
 そして、綱をかけ、声を合わせて岩戸を開けようとする。
 人ひとりが入れる隙間が空いた瞬間、何か銀色の影が陽射しを受けて光った。
 のぞき込んでみると、翼を持つ天使の上半身に大蛇の下半身を持つプラチナの固まりがこちらに向かって飛んできた。
「ノエルくん、あれ何?」
 と、エリーがノエルに尋ねるが、ノエル曰く知らないとの事であった。
 ともあれ、ノエルは合掌して、自分の周囲にホーリーフィールドを展開する。
 ヤングヴラドはホプライトシールドを掲げその背後で突きの態勢をとる、エンペラン伝統の構えで隙を窺い、チャージングを仕掛けるのだ、と意気込んでいたが、人ひとりが入れる隙間にホプライトシールドを構えては入り込みようがなかった。
「もっと開くのだ!」
 フォスは見事な盾裁きで撤退しつつも、攻撃を凌ぐ。しかし、手の正体を探ろうとするが、まるで心当たりはなかった。元々知識系ではないのだ。
 一方で、グイードは門番と判断。引き出して全員で囲い込もうとするが、相手は空中にいる為、手の出しようが無く、状況の変化を待つしかない。
 クローディアは『ジャンヌ様!』と、ジャンヌ様を後ろに庇って前に出ます。例えこの身に代えても彼女は護りきるとの覚悟の元に。
 バランは迎撃する。
「ジャンヌ様の前に立ちふさがるものは、何であろうと打ち砕くのみじゃー!!」
 共に盾をかかげつつもユーリアは突撃しての跳躍から、強打と斬鉄の一撃を放つ。
 魔力防壁により威力を削がれつつも、金属がぶつかり合う甲高い音がする。
 バランのヘビーアックスがプラチナを砕く!
「こいつに対抗するには剣や槍では駄目だ! バーストアタックを使うか、鎚の類が必要だ!」
 とりあえずエリーは魔法を唱えて周囲に通常でない生命体の存在の有無を確かめたが、このプラチナの固まりと、奥の方ギリギリから通常ではない生命体の気配を感じ取れる。 クローディアは歯がみする。自分の持っている得物では、対処できそうにない。しかし、クローディアには搦め手がある。合掌して、呪文の詠唱。彼女を中心に白い淡い光が収束していく。
 ジャンヌはカリスマティックオーラを発動。相手は完全に邪悪な存在とも言い切れない為、行動に負の影響は入らないが、周囲の皆には力が漲る。
 要はジャンヌも使えそうな業を修得していないのだ。
 ともあれ、ヤングヴラドはみんなに手分けして持ってもらっている荷物から、使えそうな品を何かないか探そうとしているが、自分ひとりでは抱えきれない荷物から得物を出すのは難しそうであった。
 グイードは相手が岩戸から出ずに、攻撃に徹している所から、やはりガーディアンであると判断。また、身のこなしから自分が大技を使えば軽々と躱されると分析。また、魔法の得物ではなく、通常の武具でもバーストアタックさえ併用すれば、打撃を与えられる事も確認した。
 そこでクローディアのコアギュレイトが完成し、プラチナの固まりが地面に落ちる。
 後はタコ殴りモードである。
 情け容赦はない。
 目敏い村人達がプラチナの破片を拾い集める。
「待て待て、これは教皇庁へのご喜捨であるのだ。神を恐れぬならばいざしらず、このローマで教皇庁に反するのは良くない事なのだ」
 と、ヤングヴラドは約束通り集まった農民に金貨を渡す事で方をつけさせ、自分たちは若干の取り分を残して、残りは募金箱に放り込む事で処理した。
 それでも金貨15枚相当の取り分である。
「対デビル戦ではぁ、魔法と魔法の武器以外は効果がないってことと、精神的な効果であるスタンアタックは聞かないことだねぇん」
 とジャンヌに嘘八百を教えるエリー。
 デビルには銀の武器でも通用するし。スタンアタックは精神的な効果ではなく、急所狙いの為、急所を知っているか否かで、相応のモンスター知識が必要とされるだけなのだ。デビルは現世に仮初めの肉体を持って現れているのだ。
 奥はすぐ行き止まりになり、古風な衣装を着込んだ、男が三本の剣に貫かれて木乃伊状に干からびている。
「無闇に抜くのは駄目よん」
「みんなに色々、対デビル戦の武器は配布済みなのだ。無闇という事はないのだ」
 と、エリーの危惧にヤングヴラドが応える。
「準備はいいな」
 言って、グイードは金の柄に純白の刀身を持つデュランダルを引き抜く。
 重い。ジャイアントソードですら、これだけの重みはない。
 次の瞬間、木乃伊は瑞々しい肌を取り戻し、目を見開いた。
 しかし、復活劇はそこまでで、次々と対デビル戦の武器が叩き込まれていく。復活したデビルは口上をあげる間もなく、そのまま塵となった。地獄へとその精は帰り、再び召喚の時を待つのだろう。
 そこでヤングヴラドは2本の魔剣を示し───。
「ジャンヌ殿、テキトーな魔剣を装備してみるのだ。これが異端か否かの大事な論争材料になるだろうから───」
「じゃあ、これね。デュラダルだけは嫌だから」
 言ってオートクレールをジャンヌは構えた。
「手に吸い付くようね、これが魔剣の力ってやつ?」
 さて、そこで一同に悶着の種が残った。グイードにそのままデュランダルを持たせていいものか? そして、ジョワイユースの主の行方は?
 待て、来月。

「私にできることと言ったら頭を使うことくらいですかねぇ」
 とは、ディアルト・ヘレス(ea2181)の言。
(何にしろ、武器を持つことはできないため、もっぱら相手の行動を予測し、仲間に助言をしなくては、仲間はドラゴンに対して奇襲をかけると考えているようであるが、自分としては相手の行動パターンもわからず、棲家もおぼろげな状態では奇襲などかけられるはずも無く、前回同様遭遇戦で戦うことになると考えているが、口に出しては言えないな) デウス・アマデウス(ec0145)はローマ至上主義者の貴族からドラゴンスレイヤーの武器を借り受け、あるいは教皇庁に残っていないかを問い合わせたが、ローマ至上主義者へは、根回しの材料が足りず───俗世のものも、精神的なものも───教皇庁もあるなら貸し出していただろうが、全てはかつてのテンプルナイト志望者達と共に朽ち果てているだろうという旨の返答が返ってきた。
 ディアーナ・ユーリウス(ec0234)も教皇のお墨付きをもらおうと試みたが、ちらつかせる名誉も、自分がドラゴンスレイヤーになるのではなく、他人がドラゴンスレイヤーになる、というのでは些か押しが弱かったようだ。
「なら、自分で倒しに来なさいよ。ぷんぷん」
 彼女はタラント近辺で狩人を雇って、カルブンクルスアニマの巣までの道案内をさせようとしたが、最大タラントとは往復1日までの距離しか離れた経験のある者しかおらず、絶望的に思えた。
 一方、先日の経験からか、山歩きに慣れたシリウス・ゲイル(ec0163)は先月の自分たちの道中が如何に迷走したものであったかを改めて確認し、往路を整理する。
「前の遭遇で竜が帰っていったこの場所を見張ればまた出てくるだろう」
 との言葉にデウスは───。
「そんな悠長な事はしていられない。寝込みを襲うまでだ」
「そういう考えもあるな。ここから出なければ中に潜るまでだ。他の方向から襲われれば避難できる」
 ディアルトは行きもしない内からその楽観論。一体、根拠はあるのかと? 問い質したかったが、そこは自制した。
 その論争を余所に、ジュゼッペ・ペデルツィーニ(ec0207)は自問自答する。
『何のためにビショップを目指すのか』
 それは我らが聖なる母と、教皇様に、より自分が扱える事柄の幅を広げて奉仕するためです。
 平たく言えば『出世の為』ですね───たぶん。
 おそらく、今度の行程で、結果は出るでしょう───何となくそんな予感がします。
 例え、どちらが倒れるかにしても。
 そして、十六夜の頃、夜間に一同はカルブンクルスアニマの来襲を受けた。
 咄嗟にディアルトはホーリーフィールドを展開しようとする。
 しかし、自分の力量に見合わない魔法であったため、10秒間を無駄にしただけであった。
 そんなディアルトを余所にディアーナはディアルトにも声をかけて互いに接触しあえる位置取りをし、グッドラックを一同にかける。
 しかし、これも大業過ぎて失敗した。
 魔法は確かに普通では出来ない事を可能とするが、100パーセントの成功率を保証するものではない。自分の力量と相談する事が大切だ。
 ともあれ、ジュゼッペがホーリーフィールドを展開して、夜空を照らす虹色の光と、白い光の交錯が続く。
 ホーリーフィールドが打ち破られる端から高速詠唱で修復され(ホーリーフィールドの中に更にホーリーフィールドを展開する事は出来ないのだ)多大な魔力が夜空を照らし出す。
 地獄の如きブレスを打ち破り、ついに高速詠唱でカバーできない程、魔力が尽きた時、カルブンクルスアニマは舞い降りる。
 炎の士気と、全身を覆う灼熱の魔力を以て。
 荒れ狂うカルブンクルスアニマを前にして、デウスは背後へと回り込み処刑人の大斧を振りかざし、子供程もあるその体重を以て、竜語魔法で強化された鱗を破壊し、苦痛の呻きをあげさせる。
「教皇猊下万歳! ローマの天空は汝の領地に非ず!」
 しかし、代償はあった。鋭い爪が逆しまに正中線を掻き揚げ、真紅の色へとデウスを染めていく。
 シリウスもやはり、パイクで突貫をかける。
「ローマの大地は汝のものに非ず!」
 命がけの一撃は深々と筋肉を破壊する。鋭く重い攻撃。
 到底、ロングソード程度のドラゴンスレイヤーでは歯が立たない相手だったろう。
 苦痛に呻きながらもカルブンクルスアニマはブレスを吐く。
 一同に均等に浴びせられる死の痛打。
 しかし、カルブンクルスアニマの傍にいたデウスとシリウスは無傷。これがコーン状のブレスの弱点であった。
 シリウスは再びチャージをかける為の間合いを取る合間も、デウスは最早、誰の血か判らない程に傷ついた身で処刑人の大斧を振るい続ける。
「ポイントアタックで翼を狙うのです」
 ディアルトが助言するが、そんなに都合の良い業を覚えている者は居なかった。
 そして、デウスとシリウスが、金床を打つ鉄槌の如く、カルブンクルスアニマを打ち据える。
「我ら聖なる母の僕は地上最強!」
 デウスが弱ったカルブンクルスアニマが逃げようと翼を開いた所で、白い淡い光に包まれて、魔法を完成させる。
 カルブンクルスアニマの動きは止まった。
「今です、目を抉るのです」
 ディアルトはもたげられた首をよじ登り、朱い眼球に檜の棒を差し込む。不安定な体勢ながら、カルブンクルスアニマは確実に視界は破壊されていく。
「ぬうぉぉぉぉー!」
 最後にシリウスがパイクを全力で突き込み、槍穂が蠢く肉塊に達する手応えを感じる。同時に捻りを入れる。周囲の筋肉が反発するが、構わず渾身の力で貫通する。
「神聖ローマ万歳! カルブンクルスアニマはかく滅ぼされたり!!」
 処刑人の大斧の刃が欠けて使い物に成らなくなるまでデウスは首の切断に勤しみ、ついにはそっ首をたたき落とした。
 そして、そのまま意識を失う。

 意識を取り戻したのは腐臭漂う船の上、紅い鱗に包まれたカルブンクルスアニマの首が腐臭を放ち、夏の熱気を悪化させている。
「デウス、目を覚ましたか───?」
 ジュゼッペがアビニョンへと向かう船の途中だと解説する。デウスが意識を失った後、タラントの街では、彼らを英雄として崇め入れ、一週間に及ぶ大宴会をしようとしたが、皆負傷の為、形だけ顔を出したのみで、裏から船を出してもらって、アビニョンに凱旋───文字通り、掛け値無しのだ───を果たすのだという。
「これで皆、教皇庁で重責を担う事になるな」
 しばらくの見習い期間の内、各員はビショップとテンプルナイトを謎の月道の彼方へと失った巨大都市の補充に当てられる事になる。
「ローマには立ち寄れなかったか───残念だ?」
 言葉を型作ろうとするが、それでも激痛が全身を走っていく。
 アビニョンまで海路で完全に行くわけではないが、陸路でどれだけダメージを回復出来ているか───。
 デウスはその為の盛装を脳裏に描く事で我慢しなければいけなくなった。
 一方、ディアルトは船室の一間で、これで自分がテンプルナイト。神聖ローマにあっても、聖俗両方の根回しをすれば、武装できる身だと心至った。
「長い半年か───腕が鈍ってなければいいが‥‥」
『杖持つ白騎士』という半ば揶揄混じりのふたつ名とも別れられる。
 そう、彼らに与えられた新しい称号は“竜を狩る者”から“ドラゴンスレイヤー”という新しいもの───彼らは確かにカルブンクルスアニマを葬ったのだ。それは幻ではない。
 テンプルナイトの魔法として知られているのは白のテンプルナイトだけでも───、
 ブレッシング(武器に魔法を付与する)。
 ディバインプロテクション(一定回数受けたダメージを1ランク下げる)。
 サーチフェイスフル(範囲内の信者を探す)。
 ボウ(守りの誓いを立て、そのための行動にボーナス)。
 カリスマティックオーラ(範囲内の信者はボーナス、敵対者はペナルティを受ける結界、中心点は術者)。
 が知られており、ビショップは表立って魔法を使う機会が少ない為、知られていないが、クレリックとは一線を画した力を持つという。
 叙任は来月になりそうであった。

 囚われ辱められているトゥルエノ・ラシーロ(ec0246)であったが、ジョヴァンニ・セラータ(ec0232)がこの期に及んで情報収集を始めた為、誰も回収にこないものとして扱われ競りに出された。
 外見の良いトゥルエノは『所有』している事で、一種のステータスとなるからである。
ジョヴァンニは商人ギルドの情報として、異種族の女性を奴隷として買い取りそうな商人───山程もいる。
 トゥルエノが奴隷として売り出された場合の予想額。
 金貨200枚というのを情報として得て。
 それでいて尚かつ動かず、黒い子羊のレンジャーに、マルモンロイド家と盗賊ギルドに悪魔崇拝の疑いあり、との情報を敵対する選帝侯家や貴族に流す様依頼。
 疑問系で返された。
「どこの盗賊ギルドだい」
 ジョヴァンニはそこまで考えていなかった。
 マルモンロイドにしても独自の情報網を持ち、その程度の事は単なる誹謗中傷と取られてお終いだろう。証拠がないのだ。
 そもそも盗賊ギルドは提携する事が有っても、独立した存在である。ひとつの都市に複数存在する事も珍しくはない。
 一体どこに流せばいいというのだ。
 証拠が揃っていればキンデルスベルク騎士団にも、というがそもそも証拠がない。
 レンジャー達はバックパックの中にある魔力を帯びたアイテムを換金しろというが、それにはレンジャーも切れた。買い手を選ばなければエチゴヤへ行け。
 ぶつぶつ言いながら、仲介料を取られて幾ばくかの金にはなった。その金はクレメンスに預けられる。
 ラシーロと言う姓を持つ貴族についての情報を得ようとすると、レンジャー達は本当に切れてしまい。
「そんな事はトゥルエノ当人に聞けばいいだろう? 自分たちは便利屋ではない。仲間を助けにも行かず、今更悠長に情報集めなどを行っている、今後あなたの指示は一切受けない」
 と明言されてしまった。
 トゥルエノが押し入った家の護衛であるレオンの達人についての情報を買おうにも、盗賊ギルドの伝手はなかった。
 そうこうしている内にトゥルエノは金貨208枚で競り落とされた。
 あまりにも情報収集に拘った結果である。

 トゥルエノは所有物として印を刻まれる。口に布を突っ込まれ、舌を噛み切らないようにして、白く輝く焼き印を背中に押される。
 しかし、トゥルエノは口は絶対に割らない。
(こんな目にあわされて平気でいられるわけはないけれど、それでも――恩人を裏切ることなんて出来ない。
 正直、恥辱で頭がおかしくなりそうだけれど――狂化したとしても、見苦しい態度を見せたとしても仲間は売らない)
 トゥルエノ頑張ったね───。
 焼き印を押された後、運び込まれた馬車の中で優しく声がかけられる。
 クレメンスである。
「ミミクリーの魔法で、姿を変えてきたのだよ───正面突破はしたくないので、搦め手になってしまったが。背中の烙印は‥‥‥‥すまない。」
 と、言ってクレメンスはポーションを2本渡す。ヒーリングポーションとリカバーポーションだ。
 飲み干すと苦痛が安らぐ。しかし、クレメンスの業では焼き印を取り去る事はできない。それにはクローニングが必要だ。
「ジョヴァンニが何かのアクションを起こしたようだが、あまりにも周囲の事に拘って───7月1日という日付を忘れてしまったようだ。止められてしまったが、君を守る為なら───仕方のない事だと、自分を騙してね」
 背中の烙印は羊をモチーフにしたものだそうだ───迷える子羊‥‥黒い子羊。

 レオンハルト・リヒテンクラーク(ec1922)はランナバウト領で得た、品々を纏め、アビニョンにいるという婚約者リズの祖父にあたる大司教を尋ねた。
 表向きの訪問理由は、あくまでリズとの婚約の報告と挨拶とした。
 大司教の前に通され、一通りの挨拶と報告を済ませた後、皇帝よりの極秘の勅命である事を伝えてから本題に入る。
 ランナバウト家での事を話し、押収した品々と、書き写した幾何学模様や血文字で書かれた文字の写しを見せ、どのようなデビルを信仰していたのかについての見解を求た。
「参考資料として、写本『悪魔学概論』も取り寄せました」
「ふむ、しかし私はあくまで隠居したとはいえ、ナイトだ。神秘学だの伝承だのといった事象には疎いよ。まあ、詳しいものを紹介しよう───」

 レオンハルトがその人物を訪ねると。
「無価値と言えば、あのデビルですな」
「ご存じですか!?」
「聖書をお読みならばご存じでしょう───背徳の街ソドムとゴモラを創り出した───あれを」
 ベリアル───デビルの中でも端正な表情をしており、炎の戦車に乗った勇壮な天使の姿で現れる。
 地獄でも位の高いデビル。しかし、敵味方問わず、あらゆる者を欺くと言われている。
 威厳に満ちていて端麗だが、思考は悪意で満たされており。買収や暗殺の術を得意として、人間の手助けをするものの、法外な生贄の要求をしてくるという───。
 まさしく魔王と呼ぶに相応しい存在。
「なら、ベリアルならば───何をしようとしていたのか?」
「おそらく、ソドムとゴモラの再現───」
「では、デビルに対する有効な対抗手段はあるか?」
「銀の武器と魔法の武器、それに魔法のみが───それだけやって尚かつ、このデビルを地獄に追い返すだけ、星辰が満ちれば再び地上に舞い戻るでしょう。滅ぼす術は判りません」
 そう修道僧の口から語られた事象を否定する要素はどこにもなかった。

●次回予告第7話、勇者たる者恐れありや? 恐怖を振り払いながら
次回舞台となる予定の都市
1)ローマ(奴隷『制度』関係)
2)フィレンツェ(奴隷解放関係)
3)トゥールズ(聖女? 魔女? 関係)
4)アビニョン(上級クラス&資料探し関連)
5)クレメンスの隠れ里

A)得物に物を言わせる
B)舌先三寸
C)情報集め
D)人集め
E)教える/教えられる
F)フリー

※1.行動はアルファベットと数字を組み合わせる事、アルファベットは幾つつけても構わないが、その分描写は薄くなる。数字はひとつのみ。身体はひとつしかないのだ。
※2.宗教やクラスチェンジの希望などはしたいな〜、ではなく。クラスチェンジしたい、宗旨変したいと明言する事。あくまでロールプレイとして迷っている描写が欲しければその旨書き添えること。
 但し、クラスチェンジには教皇に認められるなどの条件を満たしている事は肝要である。 尚、明示されていない為、恐縮であるが、特にジャパン、華国、インドゥーラなど東洋への移動を前提としたクラスチェンジ条件もある。
 これらの外国への移動はクエストシナリオでは対処できない為、ご容赦されたい(インドゥーラ、華国も現在は移動は不可能)。

今回のクロストーク

No.1:(2007-07-07まで)
 人ひとり通れる段階にトゥールズで岩戸を開けると、天使の上半身と蛇の下半身を持った、全長3メートル程度の銀っぽい素材の『何か』が襲いかかってきました。無言です。リアクションお願いします。

No.2:(2007-07-10まで)
 誰がデビルだったら倒し甲斐がありますか?』

No.3:(2007-07-10まで)
 ぶっちゃけ神聖ローマで何がやりたかったのか、と。


No.4:(2007-07-10まで)
 ぶっちゃけ神聖ローマで何がやりたかったのか、と。