BlowinonamicizieBlowinonCoraggio

■クエストシナリオ


担当:成瀬丈二

対応レベル:

難易度:

成功報酬:-

参加人数:17人

サポート参加人数:-人

冒険期間:2007年08月01日
 〜2007年08月31日


エリア:神聖ローマ帝国

リプレイ公開日:08月27日21:41

●リプレイ本文

●勇者たる者恐れありや? 恐怖を振り払いながら
 レオンハルト・リヒテンクラーク(ec1922)は帝都ローマに戻ると───。
「今回の一件にはデビルが関与している可能性があります。
 由々しき事態ではありますが幸いな事が一つ。
 デビルは勅命書を欲したりしません。故に、今も勅命書は人の手にある筈。
 デビル崇拝者を狩り出し、勅命書もろとも葬ってご覧に入れます。
 任務遂行に当たりお願いがございます。
 デビル崇拝者掃討の勅を選帝候家に発令願います。
 その後の事は、全て私が滞りなく進行致します」
 皇帝はしばし沈黙した。息子達の事を考えているのだろう‥‥。
 しかし、それでも決断を下す。
「良かろう男爵に勅命を下そう。この神聖にしてローマである帝国から、デビルの影を見事打ち払って見せよ!」
「非才卑称の身なれど、神聖ローマ帝国の礎となって見せます」
 そして、檄が飛ばされる。
『ランナバウト子爵はデビル崇拝者であった。
 故に、デビル崇拝者に相応しき裁きを下した。

 しかし、辺境における悪の芽はこれだけではない。
 私はここに、デビル崇拝者掃討作戦の発令を宣言する。

 デビル崇拝は重罪であり、その事実を知りながら匿ったり隠し立てする事も同罪である。

 心せよ、愛すべき臣民達よ。
 それが如何なる者であろうとも、デビルに魂を売った者は、聖なる母と神聖ローマの敵である。

 心せよ賢き臣民達よ。
 デビル崇拝者について知っているなら、速やかに通報するように。

 私は、旧ランナバウト領に於いて今後の指揮を執る』
 そして教皇庁には───。
『教皇庁の混乱も理解できるが、何より先ずは己の責を果たされるがよい。

 私は、情報と機会を与えた。
 竜いっぴき倒したとて、過去の清算には値しない。
 過去の汚名を晴らしたくば立つがよい。
 立たぬならば、ローマへの凱旋など夢物語と知れ。

 神の敵と戦う勇気があるならば協力するがよい』
 一方、アビニョンに向かう聖女隊のひとり、ユーリア・レオ・フォルティ(ec1663)曰く───。
(仲間からは認められたので、ジョワイユースは暫く私が預かるとしよう。
‥‥カール大帝の剣‥‥流石に震えが来るな。騎士としては死んでも良いぐらいの誉れだ。
 しかし‥‥カール大帝はどこの国の王であったか等という話があったな。
 果たして今のローマを我が父祖が見たらどう思うのであろう。
‥‥否。これからだ。我等は今やっと手札を手にした所だからな。
 しかし差し当たってはデビルを相手にせねばならんだろう。アビニョンに戻って情報収集と行こう。
‥‥新法成立で風当たりが又強くなっていそうだが、騎士が四人身元を保障しておるのだ。何とかなるだろう。
 まず、ノエル殿に大雑把にデビルの何たるかを説いて貰う。天使がちょうど居るのだから聞かぬ手はあるまい。
 その上で、デュランダルが相手にするような大物の心当たりを聞きたいな。
当たりをつけたならば後は調査だ。教皇庁の権威が何処まで通じるか判らぬが、単純にデビルの性質とその対策を調べるのなら構わぬだろう。
‥‥齧っただけというのが何とも心許ないが、一応学問も納めてはいる事だしな)
 と思い立ちユーリアはデビルの何たるかを、ノエルに問い質す。
「大いなる父の被造物で、何がきっかけかは僕はしりませんけれど、神々に反逆を起こして、そして打ち払われ悪に完全に転じた者です。
 デビルには能力に応じた格を持ちます。実力主義であるデビル同士の間では、格の差は絶対的な階級を意味しています。格には『下級デビル『中級デビル』『上級デビル』の3種類があります。
 おそらくこの前倒したのは中級デビルでしょう。
 下級デビルで人間サイズのものは非常に限られていますから。
 上級デビにしては脆すぎます。
 さて、話は変わりますが、デビルは特殊な言語は持っていませんが、必要とあれば全ての言語を使う事ができます。
  デビルには通常の武器は利きません、ダメージを与えるには銀か魔法の武器が必要です。
  また、様々な姿に自由に変化する事が出来たり、デビルの魔法と呼ばれている特殊な魔法を行使する事ができます。
 また、デビルは地上では仮初めの肉体を持って、活動します。
 あくまで魔法の武器をもってしても、打ち壊せるのは仮初めの肉体のみ。場合によってはスペアのボディを持っていたりしますが、基本的にデビルは自分の肉体を破壊されても、そのデビル、デビル特有の真の倒し方をしらないと、幾星霜の年月を経て、再び現世に召喚されるでしょう」
「やはり、それなりの知識しか知らないか───。と言ってもこちらでは初耳の情報もあるが‥‥」
「ではこれはどうです? 人の道を踏み外したデビル契約者です。
 魂を切り売りした事を自分の力と勘違いした悲しい人たちです。
 デビルと契約しその僕となったものには以下の4段階が存在します。
・契約(第1段階)
 デビルが簡単に力を貸している状態です。デビルは、自分が修得しているデビルの魔法を1回だけ契約者に使用させることができます。代償としてほんの少しの魂を差し出す必要があります。

・崇拝(第2段階)
 契約しているデビルの知っているデビルの魔法を一つ、使用することができるようになります。この際の能力は初心者相当となります。第一段階と同じだけの魂を要求されます。

・デビル信者(第3段階)
 契約しているデビルが修得しているデビルの魔法を、学び、修得できるようになります。これの代償には、これまでよりもさらに多くの魂が要求されます。

・デビノマニ(第4段階)
 下級デビルとして完全に人間をやめてしまいます。
 デビノマニに選ばれるのは以下の2種類の人間です。
 契約の代償として全ての魂を捧げ、その後デビノマニとなることを望んだもの(真の悪人)
 デビルに代償を払わず悪意を持って撃退するなど、デビルに匹敵するようなもの。このようなものは上級のデビルから『スカウト』が来ます。これは死かデビノマニ化か、といった選択を迫られることになります。
───後者は聞いた事はありませんけれど。
 デビノマニになったものは、それまでの自分の能力に加えて、下級デビルの力を手に入れることができます。また、デビルの魔法を普通に修得、成長できるようになります」
 気がつくと皇子ふたり───ヒエロニムスと、レオも聞き入っている。それでもノエルは丁重に話し終えた。
 そんな双子を見て、ユーリアは内心歯がみする。
(‥‥まだ迎えは来ぬか…。是非もない。
 都市に戻ったからには流石に目立とうなぁ。
 周りと相談してからだが、聖女一行が旅の途中で皇子二人を助けた、と明かした方が良いかも知れぬ。
 事実だしな。痛くもない腹を探られるのは好かん。
 周りの反応を良く考えて隠すか明かすかは決めるとしよう)
 そんな聖女ご一行を迎える民人には、往路とは温度差があった。
 一方で、バラン・カリグラ(ec0735)のシャウト!
「今度こそ、魔剣でビルドアップしたジャンヌ様のお導き!」
「いや、オートクレール持ったからといって筋肉ついた訳じゃ‥‥」
 魔剣の導き! ジャンヌ様の明日はどっちだ!!
 聖女様の魔剣にものを言わせる
1.聖女様に魔剣を抜いていただく。
2.地面に突き立ててもらう。
3.手を離す。
4.魔剣の倒れた方向に向かってレッツゴー
 それを聞いたクローディア・ラシーロ(ec0502)は苦笑いを浮かべながら、バランに───。
「ジャンヌ様がオートクレールを入手されたのはとても喜ばしく思います。
 さりとて、状況はいまだに予断をゆるせるとは思えません。
 これまで同様、内外両面に注意を払って行きたいと思います。
 まず、占いなどという神聖魔法を使えない神父に難癖つけられる様な、異教な行為を慎むべきだと思います」
 聖女ジャンヌが神託により、テンプルナイトとなった以上、敬虔な信徒である事が求められる。
 具体的には───  テンプルナイトはジーザス教の教義に深い帰順を示し、聖なる母に仕える騎士として、信徒の守護者としての誓いを立てた特別な神聖騎士である。彼らは高度な戦闘技術を操り、その信仰から神聖魔法と、更にテンプルナイトだけが使用できる特別な魔法を使用することができるのだ。
 テンプルナイトとなるには、まずジーザス教に入信し神聖騎士としての経験を積む必要があるのだ。そして優れた神聖騎士として教皇に認められた者が、より深い教義への帰順と信徒を守る守護者の誓いを立てることで、テンプルナイトとして任命される事となる。 一般的にはテンプルナイトとして認められたら、先輩テンプルナイトから指導を受けながら、テンプルナイトとしての生き方とその秘儀を学びます。一人前のテンプルナイトとなった者は、通常の神聖騎士を上回る神の使徒として、尊敬を受ける事になるのだ。
 テンプルナイトは、『教皇以外の宗教権威に跪く必要はなく』信ずる正義と信仰に基づいて行動する事が認められているのだ。
  彼らは叙勲後、神に仕えていることを示すために、鎧や盾などにジーザス教の聖印である十字架をいれるのが望ましいとされている。
 騎士道やジーザス教の教えに著しく反したり自らの立てた誓いを破った場合、テンプルナイトの資格を剥奪されジーザス教を破門される場合もある。そして、破門されたテンプルナイトは、厳しい戒律により、二度とテンプルナイトとして認められる事は例外なくない。また、罪を償い名誉を回復しない限り、何処の教会も入信を認めたり神聖騎士としての叙勲を行うことは一切ない。

 テンプルナイトは、聖なる母の教えに基づき、自らの正義と信仰の元、信徒を初めとした弱者を救済する為の活動として冒険を行う事となる。また、教皇により重大な教会の使命を帯びて冒険する事もあるのだ。
 
 ともあれ、グイード・ルークルス(ec0283)は笑って、バランの肩を叩き、ジャンヌとレオ皇子にも一緒に声をかける。
「私もこのデュランダルに慣れる為、少々手合いをしたいのですが。どうですか?」
 真のデュランダルは外見は金の柄に総ブラン製の刃を持ち、如何なる匠の業か、グイードが普段振るうジャイアントソードを上回る
重量を持ちながら、ロングソードとしてのバランスに欠ける事は一切ないのだ。
 グイードは厳重に封をしたバックパックからデュランダルを取り出すと、鞘代わりにしていた布を解き、純白の刀身をを解放する。
 ジャンヌもオートクレールを抜き放つ。
 その様を見ながら、フォス・バレンタイン(ec0159)は───。
アビニョンに向かう道中、魔剣を目にしてて少し『欲』が出るが思いとどめ、神とデウスに更なる忠誠を誓う。
(この‥‥フォス・バレンタインだって『あれ』を持つ資格はあるはず‥‥ローマ人はみな平等だ‥‥私だって‥‥『あれ』を‥‥すごく『欲しい』。『持つ』権利が‥‥)
 ハッ、私は何という愚かな考えを。この『魔剣』は相応しい者が持つべきなのだ。テンプルナイトとなり、この神聖ローマ帝国にローマ至上主義を体現するであろう『我が友』にこそだ。第一、ローマ人は平等などとビザンチンの非ローマ的思想ではないか! ローマ人に貴賤ありだ」
 フォスは、稽古の合間を縫って、アビニョンを到着までに三本の魔剣の管理は教皇庁で行うように提案。とりあえずノエルかジャンヌ以外の者に魔剣を預けさせておき、教皇庁にて処遇を決めてもらう。
 しかし、今までにやった事のツケが回ってきており、特にジャンヌとノエルを除外し、というどこから見ても、自分に都合の悪い面子を外したとしか思えない人選にも共感を得られる事はなかった。
 エリー・エル(ea5970)は魔剣の処遇に関しては全く興味がなく───。
「争いの原因になるならぁ、すべてが終わったらもう一度封印したほうがいいんじゃないのぉん?」
 と言い出す始末である。
「まあ、『全て』と言いますけど、それは恐らく強力なデビルを大地に縫い止める事になると思いますので、そこをまた封印する事になるのかな?」
 ノエルも微妙な賛同をする。
 ヤングヴラド・ツェペシュ(ea1274)はそれに続けて───。
「一応、魔剣は手に入ったことであるが、ジャンヌちゃんの受けた神託はコレで終わりではあるまい。
 たとえ魔剣といえど目的のための手段であり、果たすべき使命はこれからだと思うのだ。
 その準備として情報収集と仲間集めのために、一度アビニョンに向かおうと思うのだが皆、異存は無いであるな?
 聖女、3魔剣、皇子、天使と最重要級の護衛対象をたくさん抱えているゆえ、道中はことさらに注意深くならねばなるまい。情報収集は密に、一方で『聖女ご一行』の宣伝で喜捨を稼ぐのも忘れちゃいけないのだ。
 あと、無事に魔剣が見つかり、聖なる母の使命に邁進したいという親書を教皇に出しておくのも忘れないようにしておくのだ。文面は皆で考えるであるか?
 カエリーどのにも協力してもらうのだ『今、教皇庁で勢いのある勢力と接触できるであるか?特に、火竜退治をするという噂の勇者はどうなったのであろう? 魔剣とジャンヌちゃんに理解を示してくれるなら、団結してこれからに備えたいのだ』
 まあ、フォス神父には独自のパイプがあるようだが)
 カエリーどのは信仰の問題に手を出さないそうだが、『表向き』聖女に賛成の者、反対の者の情報はご存知であろうか?」
「高くつくがな。1000枚の金貨位は要求するぞ」
「それでは、天使、聖女、魔剣、そして試練を乗り越えた勇者達! れらが一同に集結する今、ジャンヌの得た神託に従い、我らは力を結集し、このローマよりデビルを打ち払うのだ!」
 そして、一団はアビニョンに到着した。

 そんな中、
 ビショップとして叙任されたジュゼッペ・ペデルツィーニ(ec0207)は複雑な心境であった。自分が本当に功績があったか、自分で疑問であったからだ。
 同じくビショップとして叙任された、ディアーナ・ユーリウス(ec0234)は※教皇猊下には、竜退治に時間がかかってしまったお詫びと、ビショップになって聖なる母のためにより精進する決意を述べる。
「竜退治には長い時間がかかってしまったけれど‥‥これでようやく、教皇様のお力になれるのね!
 とても嬉しいわ☆
 この数ヶ月で、みんなすごく成長したし、信頼関係も築けたと思うの。
見習い期間も共に頑張って、少しでも早く、立派なビショップやテンプルナイトになれるといいな」
 アビニョンをディアーナはしばらく出ていたので、教皇庁の現在の状況をちゃんと把握に勤める。
 教皇猊下の『一年以内に教皇庁の負担を二割減らし、貧しき者達への施しを二割増やす』という目標の実現に向かっているのかどうか。
 施し2割増しは達成できていたが、負担は4割増えていた。
「がびーん」

 テンプルナイトとして、叙勲された、ディアルト・ヘレス(ea2181)は───。、
「とうとう私もテンプルナイトに成れたのですね。」
 と、感慨深げ。
 彼は今までに外国人がテンプルナイト並びにビショップになったことがあるかどうかはわからなったが(前例はある、もっともノルマン絡みの戦争以来希少ではあるが)。
 少なくとディアルト自身は今回課せられた制約を満たしつつ、提示された試練を超えたと考えているので。、別に何の憂いも無く報告をし、叙任を受けたのであった。小煩い輩から、戦闘で何をしたかと問われれば、檜の棒を得物とし、真正面から対峙しドラゴンの眼を潰したと答える、大いに面目を施したのであった。
 何しろテンプルナイトである、教皇以外の如何なる宗教的権威に膝を屈する必要はもうないのだ。
 デウス・アマデウス(ec0145)は、教皇に会う前にボウ大司教に会い、聖女一行の魔剣探索の顛末を詳しく聞き、叙勲を受けてから教皇に魔剣の管理についての意見を進言。
 魔剣は皇帝や選帝侯に渡っても力の均衡が崩れこの国にとって良い事にはならないので、魔剣は全て教皇庁で管理するものとし、魔剣は人々の守護者であるテンプルナイトのみ扱えるようにするべきと進言。
 ディアーナも口添え。
「管理者はもちろん教皇庁ね。
 まずは教皇庁に納めて、それから教皇様が、デビル退治の勅命と共に? 使用者に貸与する形がいいんじゃないかしら。
 以前に『まあ、別に探索に出たものが持つという事もないだろう』という仰っていましたよね? ジャンヌ達は探索に出ただけであって、所持を許可されたわけじゃないので★」
「ディアーナくんには私は持ち主に特にこだわりがある訳ではないので、ああいう言葉になっただけだ。そして、デウスくんには逆に問おう、何故教皇庁にあると、力の均衡が崩れないと言えるのかね?」
「何と?」
「そもそもあの魔剣自体が皇帝とその直属の部下が持ち主だった。我々はその栄光をかすめ取ったのだよ。
 それに神託もある。サマエルさまのお言葉もね」
「その神託に絡んだジャンヌですが如何なものだろう‥‥理由は魔剣探索で特に活躍していない事。
 『試練』を受け乗り越えていない事実が」
「君たちがテンプルナイトになれたのは、カルブンクルスアニマを倒すだけの奇跡を起こしてそれを私が認めたたからだ。
 ジャンヌくんは熾天使に認められるという、万人が認める奇跡を起こし、それを私が追認して、テンプルナイトと認めた。
 要は教皇である私が認める。それがテンプルナイト、ビショップのスタートラインだ」
「では、ローマ文化復旧法に照らし合わせて異国人の血を引き排斥される対象であるジャンヌがテンプルナイトを名乗るのは矛盾しているのでは?」
 そこへジュゼッペが───。
「ジャンヌ氏は混血ではありますが、教皇猊下が神聖さを認めているのであれば、まさしく聖女なのでしょう。それでも認めないというのは、我らが教皇猊下に対する背信と思われてもおかしくありません」
「ジュゼッペくんの言うとおりだね。現に異国人そのものであるディアルトくんもテンプルナイトとなっている。何ら問題はない。それとも、君の人と違う事を論うならば、左右の目で色が違うのは不吉だから叙勲しないという事と同レベルの問題にしか、私はとっては過ぎない」
「猊下の寛容さに関しては頭が下がりますな、ところで出立以前にお話がありましたキンデルスベルグ騎士団ですが───」
「紹介状はもう乾いているよ。後は君がそれを受け取るかどうかだ」
「謹んで拝受します」
───全てを我が手に。
 デウスは紹介所を手に追われるように飛び出した。
 テンプルナイト叙勲の最年長者のレコードを塗り替えたシリウス・ゲイル(ec0163)。は教皇猊下に挨拶した際、カルブンクルスアニマとの遭遇を話し、三度目の奇跡で倒せたことを報告。
 では、残り二回の奇跡は? と、問われて、一、二度目の奇跡は生き残れたことと告げ、場を大いに沸かしたものである
「シリウス・ゲイル、謹んでテンプルナイトに叙任されます」

 そして、ドラゴンスレイヤーと、聖女達はアビニョンにて、邂逅する。
「ジャンヌ殿もよくぞ来てくれた」
 シリウスは、聖女と謳われるジャンヌとその仲間は長年待ちわびた友のように厚く歓迎し、彼らの健闘を称え、無事であったことを喜ぶ。
「魔剣が再び人の手に渡ったということは新たな大事件を予感せざるを得ないな。おや、それは?」
 重そうな寄進箱を見るシリウス。
 ヤングヴラドがにんまりして寄進箱を開ける。
 プラチナの固まりが山と化していた。
「教皇猊下、お願いの議がございます。
 この持ってきて頂いたプラチナを元手に修道騎士団を設立し、ローマ教皇庁を立て直す基礎となる者たちを募る。
 聖女ご一行のおかげで編成される修道騎士団なので、
『聖女騎士団』と命名したい。よろしいかな?」
「良かろう。ただし、その寄進以外は自給自足だ。それ以上の運営でかさむ分はパトロンを見つける事だ」
「構いません。では、騎士団の仲間になっていただいた方の中で、高みを目指す者がいれば腕の立つ者を見極め、推薦することで継続的な人材発掘もできましょう」
 そして、目を細めて───。
 シリウスとしては、ローマでは工房を再開させて、自分の鍛冶の腕でローマ教皇庁の守りをより強固にしたいところ。
 そして、改めて教皇猊下に───。

「ジャンヌ殿に神託を授けたローマの守護天使サマエル様のことといい、デビルも皇帝直属の騎士が動いている。準備をしておくに越したことはない。来月は自分の養子マリウスも来る。誤解のないよう向かえに行かねばな」
「失礼ですが、猊下───ジャンヌ・ダルクを聖女視する事は危険であると、申し上げます」
 魔剣探索に大した活躍無し、背中からあっさり刺された等の理由から言いまして」
 それをユーリアが遮り。
「失礼ながら、そも我等は聖女の下に集った者だ。我等が働けばそれはジャンヌの働きと同じ。
 ハッキリさせてしまおう。
 私の剣はジャンヌに捧げる。
 こうして魔剣がこの手の中にある以上、私はジャンヌが紛れも無い聖女であったと信ずる。
 クローディアは『盾』と言った。ならば私は『剣』となろう。
 ジャンヌ本人がどう言おうと構わぬ。私がそう決めたのだ」
「ならば、ジャンヌが刺された時のバランとグイードの行動はどうだ? ルイス・フルトン(ec0134)との決闘裁判でとりあえずの無実が証明されたというのに、その直後ふたりがかりで自分を捕らえ、あまつさえバランは異端審問を行おうとした事を告げ、彼らの処遇を問う。
「ジャンヌさんもですが、それに付き従う者もあまりにも無知と言わざるを得ません」
 そこへクローディアが冷静な声で問い質す。
「フォス神父、あなたは自身が持つ当然の権利として、自分が解放された時に、彼らの行動は不問にすると明言しています」
 それを受けて教皇は───。
「そうなのか? それが真実とするならば、フォス神父問おう。ルイスの肩書きから神聖騎士というものはなくなった、満足かね? そして、そこに至るまでに迷える子羊を導く、神父として何をしてきたのかね? 無知ならば教え導くのが神父の行うべき事。自分の義務を放棄し、後から無知だと処断するにはあまりにも無責任であろう。破門と言いたい所だがテンプルナイト、ビショップ誕生の特赦で不問とする。この場から疾く立ち去れい」
 フォスは退場した。
 さて、と教皇が改めて一同を見渡し、皇帝からのデビル討伐への要請状が来ている事を改めて確認する。
 ヤングヴラドは───。
「ナイスタイミング〜! 聖女御一行と竜殺し隊の大同団結を果たし、デビルとの一大決戦を敢行するのだ!」
 ディアルト・ヘレスは───。
 「猊下申し訳ありません。行動地域における聖俗両方の武装の許可を得られるのであれば参加したいのですが、それ以外は参加を見合わせたく思います」
「うむ、教皇庁の権威で、聖的な方面からの勅命を出せても、展開する地がどこになるかまでは見当もつかん、教皇庁を待っていてくれ。教皇庁内部なら武装を許そう」
 エリー・エルは───。
「現状から考えてぇ、貴族のためではなくぅ、一般の子供達のためになるならぁ、そのために協力するよぉん」
「デビルのいる世界が子供のためになると思うのかね?」
「それを言われると弱いねん」
 シリウス・ゲイルは──。
「教皇猊下が助力するので無論参加します。デビル討伐のためにも、引き続き聖女騎士団の召集を行い共闘しましょう」
 ジュゼッペ・ペデルツィーニは───。
「教皇様が助力されるのならば、当然私もご協力致します」
 ディアーナ・ユーリウス 曰く。
「(なんか言い方が上から目線で気に入らないけど‥‥)聖なる母のために戦うわ」
 グイード・ルークルスは拒否。「分け隔てなく人を集めたいので協力はせず情報交換のみで様子を見る。向こうがこちらに協力するのならいいが」
 バラン・カリグラは───。
 「わしはジャンヌ様の筋肉型備品じゃ。そういう話は冒険者ギルドもとい、ジャンヌ様に聞いてくれ」
「バラン行くわよ───やっておしまい」
「あらほらさっさー」
 ユーリア・レオ・フォルティはおいおいと心配げに───。
「:己の意図としては是。言われるまでも無く悪魔は斬る。ジャンヌの答は‥‥聞くまでもないか?」
「ならば、武術と神聖魔法、あるいは神聖魔法と聖職者としての作法を心得た者にこの皇帝からの依頼を果たした者を、テンプルナイト、ビショップへの試練を終えたものとして叙任、叙勲しよう」
 教皇の言葉に一同は意気があがる。
 そこへ、急ぎの使者が訪れ、教皇に耳打ちしようとすが、全員に報告する羽目になるのだから、大声で話せと切り返す。
「では、報告いたします。ローマで皇帝陛下御前会議中に、ローマ文化復旧法を不服とした、サクソニア選帝候がマルモンロイド選帝候と刃傷沙汰を起こしました。
 その後、サクソニア選帝候は捕縛したものの、自害されました。
 時を同じくして、ザクソニア大公領ボルドで皇帝勅書の元に集められた
傭兵団、貴族各位が挙兵。
 ローマ文化復旧法の撤廃を求めています。兵の数はおよそ1万と見られています」
 ボルドは世界一のワインの名所と呼ばれ、そのワインは月道や地中海を通じて、様々な国に輸出されている。

 ジョヴァンニ・セラータ(ec0232)が訪ねる、本気かクレメンス? と。
 サクソン選帝候の一族に義理立てして、自分ひとりででもボルドーに乗り込む気だ。
 その決意は、今はローマにいる、クローニングによって奴隷の焼き印を消したトゥルエノ・ラシーロ(ec0246)にも伝わり、その反乱の火種をかぎつける。
 彼女は自嘲する。
 力も無しに急ぎすぎたのはわかった。
 今度は慎重にいく。
 法案の可決で圧倒的に劣勢なアウグストに売り込みにいく。
 奴隷という立場は不利だけれど、怨恨や利害の一致は信用に繋がるわ。
 彼らも味方が少ない状況だし。
 デビル疑惑が切り口になるかもしれない。
 それがまだ握りつぶされる程度の疑惑なら、確証を掴むまで。
 それには貴方達(アウグスト)の協力が必要なのよ。

 思い出しただけで気分が悪くなる‥‥。
 その感情を糧にこの地で戦い、最後にはきっちり消させてもらう。

 アウグストには話さなければならないわね。
 隠していてもばれることだし、足元を見られかねない。
 むしろ復讐と思ってもらうわ。
 わかりやすいでしょう?
 しかし、アウグスト家に売り込むと言っても、自分の憎悪が商品では、相手にも売り手を選ぶ自由があった。
 何の伝もなく、行動しても、得られる者は何もなかった。
 結果トゥルエノはローマの熱気に当てられるだけであった。

 ボルドーから南に200キロのランナバウトで、レオンハルトは次の一手を考えていた。
 アウグスト家からは、月の半ばで、勅命書がボルドーにあると報告を受けていたが、マルモンロイド家からボルドーに悪魔崇拝の大拠点があり、キンデルスベルグ騎士団もその一翼を担っていると、報告があったのは月末であった。
「マルモンロイド、使えないやつ───」
 そして、9月が幕を開く。

次回舞台となる(予定の)都市
1)ローマ(奴隷『制度』関係)
2)フィレンツェ(奴隷解放関係)
3)サクソン大公領ボルドー(反乱の選帝候関係)
4)アビニョン(もっとも大きく、もっとも小さき王朝関連)
5)旧ランナバウト子爵領(皇帝勅許軍関係)

A)得物に物を言わせる
B)舌先三寸
C)情報集め
D)人集め
E)教える/教えられる
F)フリー

※1.行動はアルファベットと数字を組み合わせる事、アルファベットは幾つつけても構わないが、その分描写は薄くなる。
 例外なく数字はひとつのみ。身体はひとつしかないのだ。
 また、裏行動などで行動回数を増やす事はできない。
※2.宗教やクラスチェンジの希望などはしたいな〜、ではなく。クラスチェンジしたい、宗旨変したいと明言する事。あくまでロールプレイとして迷っている描写が欲しければその旨書き添えること。
 但し、クラスチェンジには教皇に認められるなどの条件を満たしている事は肝要である。
  尚、明示されていない為、恐縮であるが、不可能なものとして、特にジャパン、華国、インドゥーラなど東洋への移動を前提としたクラスチェンジ条件もある。
 これらの外国への移動はクエストシナリオでは対処できない為、ご容赦されたい(インドゥーラ、華国も現在は移動は不可能)。
 9月は30日。そのつもりで保存食を購入すること。

今回のクロストーク

No.1:(2007-07-26まで)
  アビニョンにいる方に質問。三魔剣は誰が運営すべきだと考えますか?

No.2:(2007-08-10まで)
  皇帝騎士レオンハルトより、悪魔戦の号令
教皇庁の混乱も理解できるが、何より己の責を果たされるがよい
過去の汚名を晴らしたくば立つがよい
神の敵と戦う勇気があるならば協力するがよい
教皇は助力。皆さんは?